2月16日から所得税の確定申告の受付が始まりますが、今回注目されるのが2017年に相場が大きく上昇したビットコインなどの仮想通貨による所得です。
国税庁は年末、2017年12月に仮想通貨で出た利益をどのように計算するか示すガイドラインを発表していますが、いま現場では混乱が生じています。
freee株式会社
[blogcard url="https://www.freee.co.jp/"]
大浜平太郎キャスター、
こちらの会場では仮想通貨に関する確定申告のセミナーが開かれています。まだまだ分からないことも多いという声も聞こえてきますが会場を覗いてみるとすでに沢山の人が詰めかけています。
クラウド型の会計ソフトとを手掛けるFreeeは2月6日、仮想通貨の取引をする個人向けの新サービスの発表に合わせ確定申告のセミナーを開きました。
PwC税理士法人の中村賢次パートナーは、
仮想通貨取引による所得は一般的に雑所得に区分される。最高税率が55%。
課税の対象となるのは仮想通貨を売って日本円に替えたときや仮想通貨を使える店で商品を買ったときなどです。
この時、仮想通貨を手に入れた時と使った時の価格の差額が所得とみなされます。
国税庁がガイドラインを示したのはほんの2ヶ月前。
取引で出た利益をどのように計算し、申告すればいいか、参加した約300人の投資家からは戸惑いの声が聞かれました。
取引量が紙で何百ページにもなる。その計算がちょっと難しい。
気付いていないうちに税金を申告できていなかったらどうしようと心配。
また株を売った場合などと比べ、税率が高いことへの不満の声も、
キツイですけど、その分、利益もそれなりに急に上がったのでいいんじゃないかな。仕方ないかなというところ。
黒田悠介さん
個人投資家の黒田悠介さんは2015年頃にビットコインを購入。
ビットコインの価格が大きく上昇した2017年、値上がりで出た利益でニップルやイーサリアムなど約10種類の仮想通貨を購入しました。
国税庁の指針によれば仮想通貨を別の仮想通貨に交換した際にも、その時の価格と購入した時の価格の差額を所得とみなす。つまり課税するというのです。
本来であれば仮想通貨から仮想通貨への変換。そこに課税するという考え方なのか。
黒田さんの1ヶ月の取引記録です。
確定申告にはこうした記録を1月から12月分まで確認して利益を細かく計算する必要があり。実際、いくら税金を支払うことになるか気がかりだといいます。
税金でブレーキをかけてしまうことが国全体としていいことなのか分からない。
株式と仮想通貨の税に違いは?
納税について株式の売買で得た利益と仮想通貨で得た利益の違いを見てみます。
株式 | 仮想通貨 | |
---|---|---|
確定申告 | 不要 (主に証券会社が代行) | 必要 |
税率 | 約20% | 195万円以下:約15%~4,000万円超:約55% |
損失の場合 | 繰り越し可 | 繰り越し不可 |
株式の場合、確定申告は基本的には不要です。専用の口座で取引をした株は証券会社が所得計算をしているのでそおまま徴収される仕組みになっています。多くの人がこの専用口座を利用しています。
一方、仮想通貨は自分で利益を計算して確定申告をしなければいけません。
税率を見てみると株式の場合は所得税、住民税を合わせた税率は一律で約20%です。
仮想通貨は住民税を合わせて所得が195万以下の場合は約15%、4,000万円を超えると約55%と所得が高いほど税負担が重くなる仕組みです。
今回のセミナーで講師を務めていた税理士の中村さんによると、
利益の55%は現金として置いておかないと納税できない恐れ。
損失を出し場合の扱いは、株取引の場合は損失が生じた翌年から3年間はその損失を利益から相殺して節税できる仕組みがあります。
仮想通貨の場合は現状では繰り越しの仕組みは存在していません。
税理士の中村さんによると、国税庁から細かい計算方法はアナウンスされていないということで実際には確定申告は最寄りの税務署や税理士と相談をしながら進めていくしかないという話でした。