ゴールデンウィークも終盤です。リラックスムードの人も多いと思いますが海外では経済に関する重大イベントが相次いでいます。イギリスの中央銀行は5月5日に政策金利を0.25%分引き上げ、1%にすると発表しました。利上げは4回連続で、これは物価の高騰を抑える狙いがあります。
これに先駆けてアメリカのFRB(連邦準備制度理事会)は0.5%の大幅な利上げを発表しました。政策金利を一度に0.5%引き上げるのは22年ぶりです。この歴史的な発表を受けてマーケットはどう動いたのか、ある個人投資家に密着しました。
アメリカ 22年ぶりの大幅利上げ!投資家が見た"市場狂騒曲"
5月5日午前3時前。
真剣な様子でパソコンの画面を見つめるのは個人投資家のJINさんです。
個人投資家
JINさん
FX(為替の取引)と株で運用している。資産は2億5,000万円ほど。
アメリカ株が年初来安値ぐらいまで下がった。結構な含み損をくらっている。
今年に入り株価が急落したことで大きな損失を抱えていたJINさん。さらに急速に円安が進んだことで為替取引でも含み損が出ていて損失は総額3,000万円に上るといいます。
5月5日は損失を取り戻す絶好のチャンス。
それが…
個人投資家
JINさん
FOMCで政策金利の発表がある。
いまから相場が動くと思いはりついている。
アメリカの金融政策を決定するFOMC(連邦公開市場委員会)。市場関係者は今回のFOMCで22年ぶりに0.5%の利上げを決めるのではと予想していました。
そしてFOMCの結果が発表される午前3時。
個人投資家
JINさん
いまちょうど政策金利が出た。予想通りみたいだ。
FRBは政策金利を0.5%引き上げ、国債などの保有資産を減らす量的引き締めも始めると発表。
予想通りの内容だった安心感からアメリカの株価は上昇していきます。
個人投資家
JINさん
今のところ株価が上がっているのでこれをキープしてほしい。
しかし、その後は上げ下げを繰り返しJINさんの損失はなかなか減りません。
祈るように手を組むJINさん。
次の焦点はFRBのパウエル議長の会見です。
そこで語られたのは…
FRB
パウエル議長
0.75%の利上げは積極的に検討していない。
市場はパウエル議長が今回の0.5%を上回る0.75%の利上げに言及するのではと警戒していました。
ところがパウエル氏がその可能性をひとまず否定したことで市場は再び安心。
ダウ平均株価は急上昇し、932ドル高と今年最大の上げ幅を記録しました。
個人投資家
JINさん
株価がめちゃくちゃ上がってきた。予想通り。
さらに為替市場でも円高ドル安が進み一時128円台をつける場面も。株価の上昇や円高の進行でJINさんは損失を750万円ほど取り戻しました。
個人投資家
JINさん
首の皮一枚でつながった。助かった。