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[WBS]物価高抑制へ異例対応!アメリカ 27年ぶり0.75%利上げ

ワールドビジネスサテライト(WBS)

0.75%、何かというとアメリカの中央銀行にあたるFRBが15日に
政策金利を通常の3倍にあたる0.75%引き上げると発表した、その数字です。

0.75%の大幅利上げというのは1994年以来で、当時はソニーのプレイステーションが日本で発売されたり、また北朝鮮の金日成氏が亡くなったりした年です。

今回のFRBの決定を受けて物価上昇や円安が進んでいる日本にはどんな影響があるのでしょうか。

アメリカ金利0.75%大幅アップ!株価反発 経済界「適切な処理」

橋爪みなみ記者

週明けから下落以降にあった日経平均株価ですが、6月16日は一時上げ幅が600円を超えるなど反発しました。

5日ぶりに反発した日経平均。

アメリカでの0.75%利上げ決定を想定通りとして幅広い銘柄で買い戻しの動きが強まった形です。

上げ幅は一時600円を超えましたが、アメリカの景気減速に対する懸念もあり取引終了にかけては値を下げ、前日から105円高い2万6,431円で取引を終えました。

積極的にインフレを抑制するための措置とされる27年ぶりの利上げ決定。

経済界からは評価する声が…

経団連
十倉会長

インフレが超加熱しているので一刻も早く冷やすことは適切な処理だ。

政府は…

松野官房長官

米国の金融政策の変更が金融市場に与える影響などを踏まえ、日本経済や世界経済にどのような影響が生じるか引き続き注視していく考えだ。

アメリカ利上げで冷え込む住宅市場!「ローン金利上昇で諦めたお客さんも」

歴史的インフレを抑えるため異例の大幅値上げに踏み切ったFRB。

FRB
パウエル議長

インフレ率を2%に戻すと固く約束する。
政策金利を0.75%引き上げると決めた。

すでに利上げの影響を受け始めているのがアメリカの住宅市場です。

30年固定の住宅ローン金利は4月に5%を突破。現在およそ13年ぶりの水準となっています。

街の人は…

金利がまた上がり始めている。今後2年間は家なんて買えない。

良い物件に引っ越せる機会があったが金利が高いので諦めた。

住宅販売の現場はどのように反応しているのでしょうか。

フィラデルフィアを訪ねました。

ニューヨーク支局
森礎人記者

ここは古い住宅が立ち並ぶ地域ですが再開発によって新築の物件も増えています。

都市部で人気のタウンハウス、低層の共同住宅。

この物件を販売している不動産業者「HOWグループ」のギャリー・ジョーナスさんです。

3つのベッドルームと浴室を備え、床面積およそ140平方メートルです。価格は日本円でおよそ5,800万円。

ジョーナスさんの会社は住宅を初めて購入する若い世代を中心に販売を伸ばしてきました。

不動産業者
HOWグループ
ギャリー・ジョーナスさん

ここ数年間は地域全体が非常に好調だった。
当社の売上高は2年連続で過去最高を更新した。

しかし最近は住宅ローン金利の上昇で顧客の心理にも変化が出ているといいます。

不動産業者
HOWグループ
ギャリー・ジョーナスさん

価格も金利も上昇し、市場環境が悪化している。
この前、金利上昇を理由に購入を諦めたお客様もいた。

住宅市場はどのくらい冷え込んでいるのでしょうか。

地元の金融機関で住宅ローンを担当するパトリック・ロペスさんに聞くと…

住宅ローンを担当
クエイント・オーク・モーゲージ
パトリック・ロペスさん

去年は月30~40件のローン契約を結んだが、今年は15~20件に半減している。

アメリカの住宅ローン申請件数は先週、22年ぶりの低水準に。新築住宅販売も4ヵ月連続で減少しています。

住宅ローンを担当
クエイント・オーク・モーゲージ
パトリック・ロペスさん

今、金利は5.23%。去年は2%台だった。
2018~2019年につけた4%台が最近まで一番高い水準だった。
若い人は金利が4.5%より高いことが想像できずショックを受けている。

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