介護用具
斉藤浩子さん(76歳)。
20年ほど前から足や腰を痛め、現在、要介護2と認定されています。
介護するのは夫の斉藤博さん(80歳)。
移動には車椅子が欠かせません。
さらになくてはならないのが介護ベッド。
夫の斉藤博さんによると
以前は介護ベッドに移動するのも大変だったんですよね。
介護ベッドの手すりを使うことで自分でベッドに上がれるようになった斉藤浩子さん。
こうした福祉用具を借りるようになってから斉藤博さんの介護の負担は大幅に減ったといいます。
斉藤博さんは歩行器を斉藤浩子さんに渡しながら
これがないとほとんど寝たきりだから
これがあると寄りかかって動けるんです。
斉藤浩子さんがレンタルしている福祉用具は介護ベッド、車椅子、歩行器、スロープの4つです。
介護保険で自己負担は1割になるため毎月約3,000円で利用しています。
しかし、この負担額が最大で10倍にもなる制度改正がいま検討されています。
介護保険を受けている人は介護の必要度に応じて7段階に分かれていてレンタル代の自己負担は原則1割となっています。
財務省の審議会は社会補償費を抑制するため要介護2以下の人を対象に全額自己負担にするべきと主張。
政府内では現在、利用者の自己負担を増やすかどうか議論されているのです。
仮に全額自己負担になった場合、斉藤浩子さんは10倍の約3万円を毎月負担することになります。
斉藤さん夫婦の年金は合わせて約13万円。
負担が増えれば家計は苦しくなります。
こういう用具がなかったら面倒みきれないよ。
斉藤浩子さんもリハビリには福祉用具が欠かせないといいます。
歩行器で少しずつリハビリしています。そりゃ歩きたいですよね。
フランスベッドホールディングス株式会社
[blogcard url="http://www.francebed-hd.co.jp/index.html"]
介護福祉用品のレンタル販売を行うフランスベッドホールディングス株式会社。
人気の高いベッドは購入すると約46万円。
しかし介護保険が適応されるので月に1,440円でレンタルすることができます。
高齢化の波に乗り、売上も順調に推移するなか、浮上した介護保険制度の見直し。
売上への影響は?
フランスベッドホールディングス株式会社の池田茂社長は
痛手になる。レンタル主体の会社ですから、その分だけお客様が減るかもしれない。
介護保険に頼ったレンタル事業からの転換が迫られていました。
売上の落ち込みを販売でカバーしていこうと店を急ピッチでつくっている。
先手を打って立ち上げたのが「リハテックショップ」。
これまでの介護用品店とは違い、明るい店内です。
ターゲットは介護を必要としない「動ける」高齢者。
なんとかして購入を促そうと商品にはいたるところに工夫がされています。
暗がりの歩行も安心な「光る杖ライトケルン(1万3,440円~)」や「電動アシスト三輪自転車(22万3,000円)」など。
営業企画本部の佐藤則行さんは
自転車をまたぐとき足を上げる力を最小限でいいように作られている。
さらにこちらは
手は揺れていてもスプーンは揺れない、同じ位置にある。
介護なしで自分で食事が楽しめる工夫がされたスプーン。
このスプーン、あのグーグルが開発しました。
「Lift ware(リフトウェア)標準キット(4万7,520円)」は手の震えにセンサーが反応し、スプーン本体も揺れることで手の震えを打ち消します。
普通のスプーンとの違いは一目瞭然です。
しかし、いずれの商品も価格は決して安いとはいえません。
多少価格も買いやすいように、下げないといけないと思う。機能を下げてまで安くするつもりはない。そうすると意味がなくなる。圧倒的に元気な高齢者の方が多いので、そこのマーケットは誰も目をつけていない。そこを開拓していこうと。