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[WBS]極右ルペン氏追い上げも…!フランス マクロン大統領が再選

ワールドビジネスサテライト(WBS)

フランス大統領選挙は24日に決選投票の投開票が行われて現職のマクロン大統領がマリーヌ・ルペン候補を破り再選を果たしました。

現地には中村航記者が行っています。

決選投票でマクロン氏勝利!

2期目の先行きに懸念

中村航記者

決選投票ではマクロン氏が58.5%、ルペン氏が41.5%の投票率でマクロン氏の勝利となりました。
現職の大統領が再選を果たすのはフランスでは20年ぶりのことですが、国民から信頼を勝ち得たという形には受け止められていません。

フランス
マクロン大統領

ルペン候補に投票した人たちの失望も分かっている。
ブーイングはやめてくれ。
これからはひとつの陣営の候補者ではなく、皆さんの大統領になりたい。

選挙戦では「極右を阻止」と半ば分断を煽っていたようなマクロン氏ですが、選挙後の演説では一転し「分断ではなく団結を」と訴えていました。

中村航記者

今朝のフランスの新聞を持ってきました。
マクロン氏の写真とともに見出しには「誰に感謝するのか?」と書いてあります。
通常なら候補者は支援者などに感謝するのでしょうが、今回は移民に排他的だった極右候補ルペン氏を止めるためにマクロン氏を支援していないのに投票した人が多かったためこのような見出しになっています。

大江麻理子キャスター

2期目に突入するマクロン大統領ですが、政権運営は盤石なものになりそうですか?

中村航記者

なかなかそうはいかなそうです。
なぜなら物価上昇への対策が有権者にとって最大の関心事ということは変わっていないからです。

ルペン氏はさまざまな税率の引き下げやそれに加えて、ロシアへの経済制裁を緩めることでフランスの市民への負担を減らすとしていました。

一方でマクロン氏にとっては制裁を緩めるという選択肢は無いためマクロン政権にとって物価高対策が今後の悩みのタネになってきそうです。

特に上昇が懸念されているのはエネルギー価格です。

将来のエネルギー価格をコントロールするためにもマクロン政権が掲げているのは原子力発電への回帰ですが、これが実現できるかどうかは6月のフランス国民議会選挙の結果次第といえそうです。

原発回帰は実現するか

フランス北部グラブリーヌを訪ねました。

中村航記者

海に面したエリアに来ました。
見えてくるのが巨大な石造りの建物。あれが全て原子力発電所の建屋です。

マクロン政権は去年、CO2削減のため方針を転換。原子力発電への回帰を発表しました。エネルギー価格上昇の歯止めになるといわれていて、この政策を今後も進めていく方針です。

そこでカギとなってくるのが大統領選の1回目投票で躍進した候補者メランション氏の支持層です。

メランション氏は2030までの脱原発を掲げていて、マクロン政権とは真逆の方針です。

近隣にするニコラ・フルニエさん。原発への反対運動をしてきました。

環境団体レ・ザミ・ドゥラテール
ニコラ・フルニエさん

議会選挙は大統領選挙の第3回目投票と言われるが、メランション氏の政党や環境党が統一候補を立ててくれると良い。

6月の議会選挙は大統領選の3回目とも呼ばれていて、脱原発派が議席を伸ばせばマクロン氏の原発推進にブレーキをかけることになります。

一方で原発を抱えるクラブリーヌの市長は脱原発派の主張は非現実的だとしています。

クラブリーヌ
ベルトラン・ランゴ市長

重要なフランス産業の再興を諦めるのか、そうなってほしくない。

またロシアへのエネルギー依存度を下げざるを得ない状況については…

クラブリーヌ
ベルトラン・ランゴ市長

ウクライナ危機で分かったのはフランスは原発で独立性を確保したが、ドイツはロシアのガスに依存したこと。
エネルギーの独立を確保することは国にとって強みしかない。

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