
日曜日に行われるフランス大統領選の決選投票。5年前と同じ現職のマクロン大統領と極右政党のルペン候補の対決ですが、前回より接戦が予想されています。ルペン氏の支持が拡大している背景にあるのは物価の高騰など現政権の経済政策への不満です。
フランス 極右ルペン氏追い上げか!物価高騰で「反マクロン」増加?
選挙終盤にパリ近郊のスポーツスタジアムを訪れたマクロン大統領。
金持ちのための大統領と批判されることも多い中、庶民派をアピールするためなのかボクシングのスパーリングを披露しました。
フランス
マクロン大統領

極右の考えが浮上することに慣れてはいけない。
そして反移民など排他的な主張を唱えてきたルペン候補の極右思想をけん制。
一方、マリーヌ・ルペン候補は…
ルペン氏の支援者

マリーヌ!大統領!
地元に近いフランス北部での集会を開きました。
中村航記者

ルペン候補が壇上に現れました。選挙戦最終盤ということで支援者の熱狂もすごいことになっています。
最新の世論調査では投票先を決めている人のうちマクロン大統領に投票すると答えたのが55%なのに対し。ルペン氏は45%。
ただ、まだ投票先を決めていない浮動票もあるためルペン陣営は逆転の目もあるとみています。
国民連合
ルペン候補

日曜日にマクロン大統領の傲慢な支配による悪い思い出を捨て去ろう。
フランスではいま物価が高騰していて市民生活を苦しめています。
ルペン候補が強く訴えるのはその対策で、電気やガソリンなどのエネルギー料金や生活必需品の付加価値税を引き下げる公約を掲げています。
ルペン氏の支援者

マクロン氏は金持ちのことばかり。庶民は奪われ、生活が苦しくなる。
ルペン氏の支援者

ルペン氏は嘘をつかない。税金も下げる、貧しい人のために下げる。
ルペン氏はマクロン氏みたいに金持ちではない。
人口1万5,000人ほどの町カルバン。
ここは所得の低い家庭など500人に食べ物などを提供するフードバンクです。
市民団体「アーツ」
クロディンヌ・バイヤー会長

毎日新たな人から「食べ物を取りにいっていいか」と電話がくる。
フードバンクで働くシルビアンヌさんの買い物についていきました。
シルビアンヌさん

10%高などと言われるが小麦は2倍の値段だ。
スーパーで買える小麦は一番安い銘柄で1キロおよそ60円でしたが、最近では倍に跳ね上がりました。
フランスの3月の消費者物価は1年前に比べて4.5%上昇と過去30年間で最大の伸びとなっていて調理用油など料理に欠かせないものが大幅に値上がりしているといいます。
シルビアンヌさん

必需品ばかり値上げだ。ぜいたく品じゃない。
燃料費はこの1年で83%も上昇していて、シルビアンヌさんも月2万円ほどの出費となっています。それでも車を使わなければ生活ができません。
シルビアンヌさん

政治に変化を起こしたい。
記者
ルペン氏支持か?

シルビアンヌさん

マクロン大統領のこの5年は本当にひどかったから。
年金改革もおかしかったし、彼は労働がなにか分かっていない。
一方、マクロン大統領は…
中村航記者
選挙に勝つ自信はあるか?

フランス
マクロン大統領

覚悟はできている。全力を尽くす。