政府は緊急事態宣言の対象に北海道、宮城、愛知など8道県を27日から追加すること決定しました。
医療現場のひっ迫がますます深刻化する中で新型コロナ患者の重症化を防ぐとされるある治療機器が注目を集めています。
Fisher & Paykel HEALTHCARE株式会社
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菅総理。
デルタ株の感染力は非常に強く、この危機を乗り越えていくため、国民の皆さんのさらなる協力が必要となる。
8月25日、緊急事態宣言の対象地域の拡大を決めた菅総理大臣。
追加されたのは北海道、愛知、広島など8道県です。すでに出されていた13の都府県を合わせると21の都道府県が宣言の対象となります。
これらの地域は人口も多く、宣言対象地域の家計消費を合計すると日本全体のおよそ8割にもなります。
第一生命経済研究所の永濱利廣氏は宣言の拡大によって消費の押し下げは1.4兆円から1.6兆円程度に拡大すると試算しています。
そして今回、政府が新たに打ち出したのが…
新学期を控え、学校の感染対策をしっかり行う。
間もなく新学期が始まる学校での感染対策です。
改定した基本的対処方針では来月から全国の小中学校などに80万回分の抗原検査キットを配布するとしました。
その後、会見で菅総理大臣は…
国から全国一斉の休校を要請することは考えていないが、学校で感染者が出た場合、学校や自治体が濃厚接触者の特定や休校の判断を適正に行えるよう速やかにガイドラインを示していく。
一方、新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は…
勉強は2週間後でもできる。
夏休みを延ばすのは各自治体で判断・検討する方がいいのではないか。
8月25日、厚生労働省に助言をするアドバイザリーボードに出された今後の都内の感染者数の予想。
9月に学校が再開された場合は子どもを経由した感染が広がり、全ての世代が感染の拡大スピードが上がるとしています。
厚労省アドバイザリーボードの脇田隆字座長。
学校と一口に言っても幼稚園から小中高大学まで幅広い。
教育機関によって感染拡大の影響や対策も異なるので十分注意が必要。
8月25日も愛知県や沖縄県などで過去最多の感染者が確認されるなど感染拡大の勢いは衰えを見せません。
こちらも過去最多の感染者が確認された神奈川県。
鎌倉市内にある総合病院「湘南鎌倉総合病院」では2週間前から仮設テントの救急外来を設置しました。
湘南鎌倉総合病院の篠崎伸明院長。
家庭内感染の方や在宅で苦しくなるなど救急外来に来る3人に1人はコロナ陽性者。
仮設テントに隣接するこちらの病院「神奈川県立臨時医療施設」。県が設置した中等症患者専用の臨時医療施設です。
現在、県内最多の120人ほどを受け入れています。
この病棟に勤務する會田悦久医師。これまでおよそ1,400人のコロナ患者の治療にあたってきました。
日に日に危機感が高まる現場で今ある治療機器が存在感を発揮しているといいます。
「ネーザルハイフロー」をつけると、すごい勢いで酸素を流すことができる。
ネーザルハイフローはもともと呼吸不全の患者に使われていた治療機器で、鼻に差し込んだ管から症状に合わせて濃度を調整した酸素を加温加湿して送り込みます。
空気で圧力をかけて肺を広げ、十分な量の酸素を患者に届けることで中等症患者が重症化するのを防ぐとされます。
酸素を送る機械をつける前と後で調子はどうですか?
良くなってます。
重症患者に使われる人工呼吸器や人工心肺装置「エクモ」は大がかりな装置を使い患者への負担も大きい一方、ネーザルハイフローは鼻に管を装着するだけなので患者は話ができ、食事も摂れます。
酸素マスクと人工呼吸器などの中間の働きをするイメージだといいます。
良くなっている。
良かった。
酸素の量を増やしていた時もあったが、今は半分くらいまで減らしているから。
良くなっている。
厚生労働省は5月にコロナ治療機器としてネーザルハイフローの使用を認めました。
ネーザルハイフローがなくなった。
この病棟では7月まで稼働していたネーザルハイフローはわずか2~3台でしたが、重症化しそうな患者の急増を受け新たに購入。現在は32台を保有しています。
中等症患者は以前は重症ベッドが空いていて転院していたが、今は簡単にできない。
ネーザルハイフローを購入し、結果的に人工呼吸器まで至らず多くの患者が改善している。
需要が高まっているネーザルハイフロー。現在、日本で使われているうちの9割がフィッシャー&パイケルヘルスケアのもの。
フィッシャー&パイケルヘルスケアの大前拓也さん。
すでにネーザルハイフローを導入している病院から追加受注が増えている。
同時に中等症以上の扱いがない病院からの問い合わせが増えている。
2019年と比較して4倍の出荷量。
価格はメーカーに寄って違いますが、人工呼吸器のおよそ10分の1の50万~80万円ほど。
軽症患者専用の病院でも中等症になってしまう患者が増えてきています。
その場合、転送先がなかなか見つからず自分の病院で治療を継続する必要に迫られることからネーザルハイフローの需要が高まっているといいます。
ニュージーランドで製造しているこの医療機器、世界各国では去年から国が主体となって何台必要か明確な発注をし、活用しているといいます。
しかし、今の日本では…
行政の方で日本で何台必要なのか、はっきりしてもらうことが必要。
需要が明確にできれば、わたしたちもそれに向けた準備をすることができる。