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[WBS][混迷2020アメリカ大統領選]天災か?人災か?支持者は…

2020年9月30日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

シリーズ「混迷2020アメリカ大統領選」。

アメリカ西部を中心に山火事が拡大し、その対応が大統領選の争点に浮上しています。

気候変動

アメリカ西海岸、オレゴン州最大の都市ポートランド。

町から車で2時間ほど走り、森林にやって来ました。

至るところに燃えた後があります。

さらに…

小林洋達記者、

こちら煙が立ち上っていますが、下を見ると山が燃え始めています。乾燥が続いていることによって山が燃え始めています。

オレゴン州では今年、東京都のおよそ2倍にあたる4,000平方メートルが山火事で消失。去年起きた山火事と比べ5倍近い広い範囲です。

経済的な損失は15兆円にも及ぶとの試算も…

多くの道路で通行止めが続いています。

地元の人に状況を聞くと、

1年を通して暑くなっている。今年は今までで一番暑い。

今月中旬、トランプ大統領は西海岸の山火事の状況を視察しました。

史上最大規模の山火事だ。森林管理を強化する必要がある。

トランプ氏は山火事は森林管理の問題として気候変動との関係性を認めていません。

対するバイデン氏は気候変動が原因だと強調。

気候変動を否定するトランプ政権が続けばどれだけの地域が山火事で燃えるだろうか。

科学を尊重し、気候変動の被害が起きていることを理解する大統領が必要だ。

そして今月、オレゴン州の南部でかつてない規模の火災が発生しました。

火は1週間に渡って燃え続け、2,300世帯以上の家を焼き尽くしたのです。

鎮火から4日後、取材班が現場を訪ねました。

「これはあなたの家ですか?」

そうです、私の家だったところです。

予想だにしなかった光景。焼き尽くされた我が家を前に今思うことは、

間違いなく気候変動の影響だ。否定する人は科学を無視している。

トランプ氏が再選したらどうなってしまうのか。

すぐ抜本的な対策が必要だ。

この一帯では数ヶ月も雨が降らず、例年とは違い9月でも35度以上の日が続いていたのです。

メキシコ移民のジョクサナさん、17年間住んだ自宅の跡から何かを見つけました。

ドリーム。

ここは2年前に増設した娘の部屋。

倒れた木の下が息子の部屋だった。

実はジョクサナさん、火災が起きる直前に自宅の周りを撮影していました。

今日はとても風が強いです。

私の髪を見て。

これまで経験したことのない強風が吹いていたのです。

「トランプ氏は気候変動を否定している?」

トランプ氏は愚かだ、なんでも否定する。

でも彼が再選しないとは言い切れない。むしろ勝ちそうな気がしている。

オレゴン州は民主党の地盤。しかし…

今回の大規模火災の原因はこのエリアで起こった放火事件だったと見られています。その火の手はあちらの林を伝って瞬く間に住宅街に達したということです。

実はアメリカの山火事の8割以上は放火をはじめ、キャンプファイヤーやタバコのポイ捨てなど人の行動が原因となっているのです。

SNS上では今回の大規模火災は極左集団「アンティファ」の仕業とするデマが拡散。住民の不安が高まりました。

原因となった放火に乗じて勢いを増したのがトランプ大統領の支持者です。

街の道路では支持を表すクラクションが鳴り止みません。

「山火事は気候変動の影響か?」

それは違う。

警察が多くの放火犯を逮捕している。放火が問題だ。

気候変動を信じず、訴えるのは何より治安の悪化です。

トランプ氏は法と秩序を守る。警察の予算削減なんで許してはいけない。

民主党と共和党が深く分裂する中で無党派層がトランプ氏を再選に導く。

気候変動を信じる、信じない。混迷の構図です。

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