こちらのラーメン、とある外食店舗で実質100円で提供されているそうです。
その秘密は食品ロスを減らす取り組みにあります。
もったいない、無駄と批判が多い食品ロスをめぐっては消費税増税のスタートと同じ10月1日に「食品ロス削減推進法」が施行されました。
食品ロスを減らす努力義務を自治体や事業者に課すもので、これを機に様々な取り組みが始まっています。
たきのさわパラダイス
神奈川県藤沢市。
先週金曜日、ある施設がオープンしました。
午後5時、地元の子ども達が夕食を食べに集まりました。
おいしい!
カレーライスやかぼちゃのサラダ、ここは子どもが無料でご飯を食べられる子ども食堂です。
大人も300円で食べることができます。
実はこちらの料理、そのほとんどが廃棄食材を使って作られています。
たきのさわパラダイスの吉田真里さん、
地区の予算がないのでこども食堂を開けなかった。
廃棄するものならば使わせていただきたいとお願いした。
お昼時、キッチンを覗くと…
そこには廃棄食材とは思えない瑞々しい野菜が。
一体どういうことなのでしょうか。
さがみ農業協同組合
[blogcard url="https://ja-sagami.or.jp/"]
訪ねたのは藤沢市内にある野菜の直売所。
閉店すると…
店の裏から農家の人達が出てきました。
売れ残った野菜は生産者自ら回収します。
かぼちゃがこんなにある。
かぼちゃが半分ほど売れ残っていました。
回収して運んだ先には、
こんなに良いんですか!?
ボランティアの配送スタッフが野菜をこども食堂などに運びます。
これらの廃棄食材を利用する施設は年々増え、現在13団体に野菜を寄付しています。
JAさがみわいわい市藤沢店の小野敦史副店長、
野菜は鮮度が命。1日で鮮度は変わってしまう。
どうしても売れ残りは出る。有効利用できないかという声があった。
食品ロス削減推進法
10月1日に施行された食品ロス削減推進法。
国や自治体が本腰を入れて食品ロス削減に取り組む法律ですが実情はそう甘くはありません。
本来食べられのに捨てられてしまう食品ロスは600万トン以上と2012年度からほとんど変わっていません。
株式会社REARS
[blogcard url="http://food-passport.jp/"]
そんな中、大阪発のサービスが食品ロス削減を加速する一手として注目されています。
商店街に立っていた2人の男性。
ついていくとその先には中華料理店が…
これいただいていいですか。
携帯を見せて注文。
頼んだのは…
「何を頼んだ?」
閉店前のお任せラーメン。フードパスポートというアプリで
利用したのが月額980円で月に10日いまで外食を楽しめるアプリ「フードパスポート」です。
画面には廃棄食材を使ったメニューを提供する店舗が掲載されています。
お客様はメニューの詳細を見て店を決めます。
アプリに載っていた「お任せラーメン」。実質およそ100円で食べられる計算ですが決して侮れません。
余った野菜に入れたのは鶏ガラと豚骨のスープ。
今まで捨てていた食材も立派な料理に生まれ変わります。
本日は唐揚げが入っているから味が出ておいしいと思う。
食材が余った日にだけ提供される限定メニュー。数にも限りがあります。
おいしい。
普通に食べたら900円するのでは。お得感がある。
多くのお客様はドリンクや他のメニューも注文するため店にとってもメリットは大きいといいます。
黒龍天神樓の黒川修平オーナーは、
売り切れないように仕入れるので食品ロスが当たり前だと思っている。
お客様も店もウィンウィンの関係で使える。
現在は関西地方のおよそ500店舗で利用可能ですが25日からは関東でもサービスを開始する予定です。
フードパスポートの後藤靖佳社長、
食品ロスをなくすといって「そうですね」という世の中ではない。
それならお得にフードパスポートでご飯を食べられる。
「余った食材を有効活用しています」という言葉に変えていきたい。