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[モーニングサテライト]「大浜見聞録」EVスタートアップ!中国メーカーとタッグ[フォロフライ株式会社]

モーニングサテライト

大浜見聞録です。

今回はEV(電気自動車)です。去年の末にトヨタがEVへのシフトを発表、ソニーの参入を決めるなどますます動きが活発です。今回取り上げるのは大手ではなくスタートアップ企業です。電気自動車を中国で生産して、日本で販売しようという家電のような方式を取ろうとうするスタートアップ企業です。この企業にいま物流業界が注目をしています。その理由を取材してきました。

日本EVスタートアップ!中国メーカーとタッグ

物流大手「SBSホールディングス」の配送センター「SBS即配サポート」です。

ここで行われているのはバンタイプの商用電気自動車の実証実験です。

最大積載量は950kg。配送センターから荷受人の玄関先まで届ける、いわゆるラストワンマイル配送に適したEV。

車両本体価格は418万円。同じクラスのガソリン車やディーゼル車は200万円台~300万円台。EVながら競争力のある価格帯です。

手掛けるのは日本のスタートアップ企業「フォロフライ」。

フォロフライ
中尾源COO

フォロフライがメーカーとして中国を生産拠点として販売するEV。

車両を製造するのは中国の東風小康汽車。国営自動車メーカー「東風汽車」のグループ会社です。

フォロフライはすでに中国で販売されている東風小康のEVを左ハンドルから右ハンドルに設計変更。

さらに…

フォロフライ
中尾源COO

車体のフレームの強化など日本の安全基準に合わせるために追加開発。

ほかにも補助ミラーの追加やアンチロックブレーキの強化など変更箇所は数十に及びます。

フォロフライによる設計変更を経て東風小康が製造。ににに輸出しています。

実際に乗ってみると…

大浜平太郎キャスター

音がウィーンとするが…

フォロフライ
中尾源COO

時速25kmを超えるとこの音が消えるようになっています。
中国仕様でも音が出る。

大浜平太郎キャスター

運転しやすい。車幅感覚が分かりやすい。

SBSホールディングスは今年10月頃からフォロフライのEVを導入し、2030年までに1万台を調達する計画です。

SBSの鎌田正彦社長。国内大手自動車メーカーではなく、フォロフライのEVを選んだのには大きな理由がありました。

SBSホールディングス
鎌田正彦社長

僕らはずっと脱炭素化やCO2削減を投資家から迫られていた。
10年くらい前から車両を探していた。
日本の大手自動車会社だと安価なEVがなかった。
日本の会社だと車両本体価格が1,000万円とか1,500万円。
もらっている運賃では価格が合わない。
運賃の中でやるためにはディーゼル・ガソリン車と同等の価格でないと。
探していたらフォロフライと出会った。
実験したらフォロフライでいけると分かった。
フォロフライは中国企業と仕組みを作ってわれわれの要望通りに車体を変化。

そもそも中国メーカーと組むことでなぜこれほど価格を抑えることができるのでしょうか。

フォロフライの小間裕康CEOに聞きました。

フォロフライ
小間裕康CEO

われわれの開発はベースの車体が中国でも販売されている。
設計変更によってテストをやり直したりするが、ベースの車体が他でも販売されているのでスケールメリットが出てコストダウンされている。

大浜平太郎キャスター

通常、自動車の開発にかかる費用は?

フォロフライ
小間裕康CEO

開発期間も長いし、1台で100億円~200億円。

大浜平太郎キャスター

今回のEVバンの開発費は?

フォロフライ
小間裕康CEO

とはいえ億単位だが…
一からの開発よりは開発期間も短く、価格も抑えられている。

通常、自動車の開発には3~5年はかかるといわれていますが、EV先進国の中国のプラットフォーム使うことによって開発期間や費用を大幅に削減することができるといいます。

大浜平太郎キャスター

中国の自動車メーカーの対応は速い?

フォロフライ
小間裕康CEO

速い、荒いというのはあるが…
文化の違いもあるし、お互いの良さを生かしながら、荒い部分はフォロフライが手当てする。

今回、フォロフライは乗用車ではなく商用車から開発を進めました。その理由は…

フォロフライ
小間裕康CEO

同じ車種を複数台所有する物流。
特にEコマースで使われているトラックの需要が伸びる見込みがある。

フォロフライのEVバンはSBSを含め、現在およそ30社の国内物流会社が導入を検討しています。

北海道をはじめ全国にシェアを持つ総合物流企業のロジネットジャパンはすでに導入を決定。

ロジネットジャパン EC事業本部
垣内優和本部長

実験的ではあるが積極的に導入していきたい。

ロジネットジャパン EC事業本部
木村麻里子部長

北海道の雪道でも試してみたい。

ロジネットジャパン EC事業本部
垣内優和本部長

EVの開発速度が速いのでどのタイミングで何台導入するかが課題。

ここで「平太郎のへぇ~ポイント」。

EV普及のためには充電ではなく交換、新しい仕組みの導入が必要。

SBSホールディングス
鎌田正彦社長

フォロフライが出てきたことによって日本の自動車メーカーが慌てている。
4トン車、10トン車になった場合にバッテリーの重量が問題。
10トン車のEVは難しいのでは?

フォロフライのEVバンの航続距離はおよそ300km。

今後、より長距離を走るEVトラックを導入するためには大型のバッテリーを搭載し、長時間の充電が必要になります。

フォロフライは充電インフラの課題をどう解決していくのでしょうか。

フォロフライ
小間裕康CEO

長い距離を走るためにはバッテリー交換を道中の途中でするという仕組みが必要。
バッテリー交換式システムも中国では進んでいる。

中国のEVサプライヤー「JEE」とバッテリー交換設備を共同開発。バッテリー交換式の車両とともに日本への導入を目論んでいます。

フォロフライ
小間裕康CEO

1社だけでできることではないので、複数の事業者との運用が固まると次のステップに行ける。

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