菅総理大臣は会見を開き、新型コロナの感染急拡大を受け、茨城や京都、福岡など7の府県を緊急事態宣言の対象地域に追加することを正式に発表しました。
そして宣言解除の前提として医療体制の確保やワクチンの接種、重症病床の利用状況などを分析して、適切に判断すると述べました。
ファストドクター株式会社
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午後9時。
菅総理。
それぞれの地域の感染者や病床の状況を踏まえ、措置を講ずる地域を拡大し、必要な医療を確実に受けることができる体制を構築することとし、そのための期間として宣言の延長を決定した。
緊急事態宣言の対象地域は13都府県に、まん延防止等重点措置は16道府県に拡大することが決まりました。期間はいずれも9月12日までです。
政府はそれぞれの対象地域で百貨店など大型商業施設の入場制限を要請します。
医療体制の構築、感染防止、ワクチン接種、三つの柱からなる対策を確実に進める。
総力を挙げて取り組みます。
8月17日、全国で新たに確認された新型コロナの感染者は1万9,000人を超え、18府県で過去最多を更新しています。
東京都の新規感染者は4,377人。重傷者は276人と8月16日より8人増え、8日連続で過去最多を更新しました。
懸念されるのが自宅療養者の急増です。
ここ1ヵ月で8倍以上になり、自宅療養中に死亡するケースが相次いでいます。
こうした状況を受け東京都は新たな方針を打ち出しました。
東京都の小池知事。
酸素ステーションは新しい形で作り、都民の皆さんの安心を一つでも確保していきたい。
都立病院などで主に中等症の患者に酸素投与などを行う病床を80床、また渋谷区にある都営施設「都民の城」を活用し、軽症者を一時的に受け入れるための酸素ステーションを130床程度整備します。
都はこうした大規模施設を設置し、自宅療養者の病状急変に備える体制を整えます。
増加する自宅療養者。その実態はどうなっているのでしょうか。
自宅で療養中の70代の男性。
「息苦しくなったのはいつから?」
だいたい9日(1週間前)から同じような状況。
こちらの男性を往診しているのが夜間や休日に自宅療養者の訪問診療などを行うファストドクター。
8月に入って1日あたりの相談件数が先月の1.5倍になっています。
ファストドクターの代表、菊池亮医師。
往診した患者で肺炎を起こしている患者が目立つようになってきた。
そうした患者に必要なのが酸素濃縮器です。周辺の空気を取り込んで酸素を濃縮して供給する機械で、患者は鼻や口から酸素を吸入します。
病床がひっ迫していてすぐに入院できず、自宅で酸素濃縮器を使って治療する患者が増えているといいます。
正直、酸素濃縮器は足りない状態。
どこの医療機関も投与する症例を制限しながら使っている状態だと思う。
十分な確保ができているとは思っていない。
医療現場での不足を受けてメーカーは増産に追われています。
エア・ウォーター・メディカルの工場には酸素濃縮器がずらり。
生産量を去年に比べて5割増やしているといいます。
エア・ウォーターの小林靖司医療事業部長。
すべてリースで行っている。過剰にならないようにコントロールしているが、少し多くしないと感染の速さに勝てない。
こちらの会社では酸素濃縮器150台を東京都に貸し出しています。
酸素投与が必要な自宅療養者に効率よく供給するため酸素濃縮器は東京都が管理しています。
医師らは都から酸素濃縮器を借り、使い終わるとメーカーが回収。メンテンスを行ってまた都に貸し出すという仕組みを構築しています。
今週さらに200台追加するよう依頼が来ていますが、課題もあるといいます。
急激に悪化し、患者が救急車に乗ってしまい、酸素濃縮器が家の中に残ったままというケースが散見される。
2週間で1割近くが戻らない。
感染者が若年化したから独身で独居の人が多い。
効率的に回さないと枯渇すると言われることになる。
自宅療養者にとって必須になる血中の酸素濃度を計るパルスオキシメーターも需要が急増しています。
コニカミノルタではコロナ前に比べて20倍の生産をしていますが…
コニカミノルタの舘田典浩さん。
8月に入って数万台規模の問い合わせがある。
8月末の時点で6月7月に作った在庫はほぼなくなっていく。
今後、感染者数が増え、需要が増えた場合、不足する可能性もある。