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[モーニングサテライト]常識をくつがえす起業家たち(2)「ファームノートHD」小林社長!

2018年7月26日

モーニングサテライト

シリーズ企画「常識をくつがえす起業家たち」。

新しい発想で世界に挑む若き起業家の姿に迫ります。

2回目の今回はITとAIを駆使し「稼げる酪農」を広めようとする起業家です。

仕事への熱い想いというのは時には大きな軋轢を生み出すということです。

株式会社ファームノートホールディングス

[blogcard url="https://farmnote-hd.com/"]

7月5日、東京の帝国ホテル。

ファームノートホールディングス社長、小林晋也さん(38歳)。

彼のトレードマークは…

「Tシャツ見せてください。」

これは2015年12月に発表した、その時からずっと着ています。

ブランドって人の目に触れるものなので。

自慢のTシャツを着ておよそ400人の前で講演です。

世界の農業の頭脳をつくろうと今風に言えば人工知能の活用です。

これで持続可能な農業を実現しようというのがわれわれのビジョンです。

会場では農業関係者が多いこともあり名刺交換の連続。

これほど人気のファームノート事業とはどういうものなのか?

株式会社スライブハーツ

[blogcard url="https://thrive-hearts-farm.com/"]

まずはファームノートの製品を使っている酪農家を訪ねました。

北海道豊頃町。

牛をよく見ると首のあたりに何やら黒い装置が…

これがファームノートが開発した牛用の端末。

スライブハーツの鈴木健司社長は、

ファームノートカラーといって牛の発情を検知したり反芻のデータを取っているもの。

常時発情を検知した時点でスマホに通知が来るようになっている。

1408番の牛が発情兆候を検知したということでアラートが来ている。

端末には加速度センサーが入っていて牛の活動データを計測。

データはインターネット上のクラウドに送られ発情や病気の兆候を示しているのかを人工知能が分析してスマホなどに通知します。

これによりどこにいても牛の変化を知るとこができるのです。

繁殖担当の伊藤正英さん、

たとえば夜中とか自分が寝ている時間はどうしてもわからない。

そういった時間帯の発情を感知してスマホに通知してくれるのですごく助かっている。

牛は発情後、妊娠・出産を経て生乳を採ることができます。

牛の発情周期は21日。発情を1回逃すことで餌代など合わせて2万5,000円の損失と試算されています。

端末の料金は1台およそ3万円、システム利用料は月額1頭200円です。

ここではシステム導入で20%ほど発見率は上がったといいます。

コストを下げるより投資をして生産性を上げることで利益を高めていくと捉えている。

小林晋也社長

現在、ファームノートのアプリを利用している農家は2,400軒。

管理している牛は日本の6%の25万頭まで拡大しています。

本社は小林社長の出身地、北海道帯広市。

札幌や東京にも事業所があり、従業員は計82人。

社長の仕事場は社員と同じフロアでした。

「社長室を何で廃止した?」

極力こっちに出ないと、と思って。

社長室を廃止した理由は社長のワンマンな仕事ぶりで部下との関係がうまくいかなくなったから。

その反省から壁のない関係を築くため社風を変えたのです。

僕が怒鳴り散らす人とかメチャクチャ怖い人と思っている人がたくさん社内にいる。

それが徐々に減ってきている。

弱みを見せ合えるような前提の場をつくることを去年からずっとやっている。

株式会社坂根牧場

[blogcard url="http://nyuulife.theshop.jp/"]

再び北海道大樹町。

トレードマークのTシャツを着てお客様への訪問です。

ここでは牛にストレスの掛からない飼育を目指して放牧酪農を140頭で行っています。

2017年、ファームノートカラーを50頭に試験導入しました。

結構チャレンジングなところなんで放牧は、ちょっとバッテリーの持ちが普通より早くなる可能性が高いんです。

でも何とかします。

何とかしてください。

端末を導入して発情発見率はおよそ倍に急上昇。

牧場にはいまベビーブームです。

雨当たっても問題ないですよね。

問題ないです。今まで取れたこともないし。

発情発見率はどうですか?

発見率相当上がっていますね。

あと数字で見られるから普段の仕事のモチベーションも上がる。

それを共有できるし、スタッフと。それがいいですね。

月に10軒は酪農家を訪問して情報収集するという小林社長。

営農していく経営していく気持ちになって何が必要か考える。

同じ立場に立つ、お互いが、これが一番重要だと思っている。

農家

そんな彼は実は農家の出身。

講演ではこんな話も…

この写真が幼少期の頃の写真です。うちは代々十勝で畑作農家をやっていた。

今は離農して農地を貸している状況。

祖父の代で廃業した経験から厳しい環境の農業をIT事業のキャリアを生かして存続させたいと起業しました。

牛は生き物だからノウハウがすごく広いんです。

病気や搾乳や餌から何からノウハウが多すぎて生産者が全部達人になろうと思ったら無理なんです。

そこをサポートすることで農家の利益が上げられるなと思った。

やはり利益を上げないと何もできないので、まずは利益を上げるためにどうしたらいいかということを僕はすごく考えた。

2018年から本格的に海外展開を始める計画です。

ファームノートの10年後とは?

日本は最低でも市場シェアの4分の1くらい、われわれのお客様になってもらいたい。

日本でしっかり「ものづくり」をやっていきたいと思うと、それくらいの顧客数あればすごくいいものがつくれると思っている。

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