ガイアの夜明け ビジネス関連

[ガイアの夜明け] 進化を続ける「道の駅」(3)

2017年5月3日

進化を続ける「道の駅」

道の駅 うつのみや ろまんちっく村

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栃木県宇都宮市の郊外に全国屈指の人気の道の駅があります。その名も「道の駅 うつのみや ろまんちっく村」。

休日とおなれば1,000台以上止められる駐車場は満車状態。

ここの特徴は東京ドーム10個分という広さ。年間約142万人が訪れる大人気の観光スポットです。

その広大な敷地の中には温水プールや天然温泉、さらに宿泊施設まで完備しています。ほかにも自社農園があって野菜の収穫体験ができます。ビニールハウスの中ではイチゴ狩り、

ただのパーキングよりも何かがある所の方がわざわざ止まりたくなる。

道の駅の中で1日楽しめる。

株式会社ファーマーズ・フォレスト

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この人気の道の駅を仕掛けたのが松本謙社長(50歳)。

日産自動車の社員だった松本謙社長は30歳を前に転職し、施設運営会社で旅館の再生や六本木ヒルズの立ち上げなどに関わってきました。

道の駅の固定観念を崩したかった。ここに来ることによって新しい発見があったり、次に何かをやりたいという動機付けが重要。他世代が楽しめる世界観をつくりたかった。

「ろまんちっく村」は第三セクターが運営する農林公園として誕生しました。しかし集客に苦戦し経営が悪化。そこで2008年に松本謙社長が立ち上げた株式会社ファーマーズ・フォレストが運営を引き継ぎ、その後、人気の道の駅に再生したのです。

そんな「ろまんちっく村」にこの日、ある男性の姿が。千葉県大多喜町からやってきた北山久行さんです。北山さんは大多喜町で地元の活性化を考えるためのメンバーです。

すると松本謙社長、「ろまんちっく村」の案内もそこそこに北山さんにバスに乗ることを勧めました。ちょっと不安そうな北山さん、どこに向かうのでしょうか?

大谷アンダーグランウドツアー

宇都宮にある人気の道の駅「ろまんちっく村」。

そこを運営する松本謙社長の元を千葉県大多喜町の活性化を考える北山さんが訪ねました。いきなり道の駅からバスに乗せられました。

約10分で大谷町という小さな町の山の中に。実は「ろまんちっく村」では道の駅を発着点とした近隣のツアーを展開しているのです。

しばらく進むと現れたのは大きな岩山。そこにはまるで古代遺跡のような幻想的な風景が広がっていたのです。

この奥が採石をしていた場所。

ここは今は使われていない採石場跡地。「ろまんちっく村」で開催しているツアーは全部で26種類。その中でこの採石場跡地を巡るツアーが一番人気だといいます。

北山さんのいつの間にか笑顔に。

もともと負のイメージだった所をツアーに仕立てる発想がすごいと思う。

そしてこのツアーの目玉が地下に貯まった雨水の上を進む地底湖体験ツアー。

この先、だんだん天井が低くなっています。頭ぶつけないように。

子供だけでなく大人の冒険心もくすぐるここだけしか味わえないツアーです。料金は3時間で7,560円。

そしてツアーを終えたお客様は「ろまんちっく村」に戻り買い物体験。道の駅をツアーの発着点にすることで、町全体が活性化し道の駅も潤う。

北山さん、そのことを実感したようです。

道の駅 たけゆらの里おおたき

千葉県の南部に位置する大多喜町。その町にひとつだけある道の駅。

いま大多喜町では、この道の駅を柱にした「観光活性化事業」を計画中でした。

ここの駅長を勤めているのが北山さんだったのです。

4月上旬、「たけゆらの里おおたき」に今度は松本謙社長がやって来ました。松本謙社長は「ろまんちっく村」での実績を買われ大多喜町からアドバイスを求められていました。

この日は役場の職員や住民たちとのミーティング。

今回集まっていただいたのは、この道の駅を核として観光プランをつくりたい。

道の駅を発着点にしたツアーを作るため、住民たちから観光スポットを紹介してもらおうというのです。

町を走るいすみ鉄道。今の時期は沿線に菜の花がきれいに咲いている。

曼珠沙華寺というのがあって、時期になると曼珠沙華がきれいに咲く。

しかし松本謙社長の表情が冴えません。住民から提案される場所はどれもガイドブックに載っていそうな観光スポットばかりだったのです。

いろいろな資源があることは分かったが、キラーコンテンツが必要でお客様がグッとくる旅のプランをつくるにしても、もうちょっとインパクトがないかなと。

道の駅を柱にしたツアーづくり。いきなり暗礁に乗り上げてしまいました。

2日後、会議での意見を受けて大多喜町の住民たちがぜひ見てほしい場所があると松本謙社長を呼び出しました。そこには想像を遥かに超えるものが。

モニターツアー

4月中旬、千葉県大多喜町の観光再生を託されたファーマーズ・フォレストの松本謙社長。

ツアーづくりの最終調整に取り組んでいました。

実はモニターツアーを数日後に予定していたのです。

4月15日、大多喜町にある道の駅「たけゆらの里おおたき」を出発点とするモニターツアー当日です。

参加者は17人。ホームページで募集したところ、1周間ほどで予定人数が全て埋まったそうです。

果たして松本謙社長はどんなツアーを作り上げたのでしょうか?

ツアースポットの中には日本でも稀な場所が用意されていました。

入り口が2つあります。上と下に。

入り口が2階建てになっているトンネル。昔使われていた上の穴をそのまま残しているというなんとも不思議なトンネルです。

名残があることはいいこと。昔の生活を知ることができる。

そしてツアー一行は松本謙社長が一押しする今回のメインスポットに。ライフジャケットを身に着けています。

一行が向かった咲きには大きな岩のトンネルが現れました。

こんな洞窟を見たことがありますか?自然にできたおものではなくて人がつるはしで開けた洞窟です。

大多喜町には人の手で岩山をくり抜いた大小様々なトンネルがあります。実はこれは川廻しと呼ばれるもので蛇行する川の流れを真っ直ぐにして干上がった土地を農地に利用するというもの。

江戸時代からこの地に伝わる先人たちの知恵だったのです。

すごいね。それくらいの期間かかったのだろうね。

さらにとっておきのイベントも用意していました。それは日常では決して味わえない未知なる体験。

千葉・大多喜町に伝わる先人の知恵。川廻しを体験したツアー一行はさらにとっておきのイベントが用意されていました。

それは川廻しの穴の近くに掘られた小さな穴の洞窟探検。この穴は川廻しの水路から水を引くために作られたもの。人一人がやっと通れる大きさです。

小さな洞窟の出口は川廻しのための大きなトンネルにつながっていました。

今まで知らなかった魅惑のスポットにツアー客も喜んでいます。

怖かったけど行ってよかった。とてもきれい。思っていたよりすごかった。

今までやったことないことだし、こういうところ好き。ありきたりのツアーじゃない。

歴史と文化、そして冒険心を満たすツアー。大成功のようです。このツアーは夏の本格的な実施を目指します。

ツアー一行は道の駅「たけゆらの里おおたき」に戻ってきました。そしてお土産を買います。名物のタケノコや、

いま食べら中にはイノシシの肉が入っている。

イノシシの肉が入った肉まんが大人気。

想像以上の売れ行きに駅長の北山さんも満足げです。

道の駅を中心に町が活性化する、こうした新たな可能性は今後全国に広がりそうです。

松本謙社長は、

それぞれの特徴を生かした魅力的な仕掛けが、それぞれのご当地であると、そこをまた巡りたいという動機付けにもなるし、さらに道の駅の位置付けという理解が深まる。

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