ウクライナでの紛争が始まってから半年近くが経ち、現在1,600人を超えるウクライナ人が避難民として日本で生活を送っています。そうした中、ウクライナ人の娘と母親が8月8日に東京の丸の内にある飲食店をオープンしました。そこに込められた母国ウクライナへの思いを聞きました。
ウクライナ料理キッチンカー!国に残した父と平和への思い
昼時の東京・丸の内。その一角にあるキッチンカー。
ヤボルスカ・カテリーナさん
すぐに食べますか?持ち帰りますか?
車体の側面には「ウクライナ家庭料理」の文字。実はこのキッチンカーを運営しているのは日本人の夫を持つカテリーナさんとその母親イリーナさんなど7人のウクライナ人です。
ヤボルスカ・カテリーナさん
ウクライナ料理を食べるの初めて?
お客さん
初めてです。
販売しているのはウクライナの家庭料理のブリンチキとドライフルーツで作る伝統ドリンクのウズバルです。
店を訪れたお客さんは…
お客さん
支援半分、おいしいもの食べた差が半分。
お客さん
知らない国の料理を食べているという感じはしない。
クレープにおかず系のものを巻いたみたいな感じ。
一緒に働くカテリーナさんの母親イリーナさん、ロシアによる侵攻が始まった2月下旬、激戦地となっているハルキウの中心部にある自宅にいたといいます。
お客さん
私の家の窓からハルキウの市庁舎にミサイルが落ちるのが見えた。
その時、私は寝室にいたが窓の外を見ると建物に閃光が走り避難した。
3月に日本に避難しましたがカテリーナさんの父親にあたるローマンさんはハルキウに残っています。
ウクライナでは今も緊迫した状況が続いています。週末にも2日連続で南部のサポリージャ原発に対する砲撃がありました。
ウクライナの国営企業エネルゴアトムによると送電線や使用済み核燃料の貯蔵施設近くにロケット弾が着弾。職員1人が負傷。ロシアとウクライナは双方が「相手側の攻撃だ」と主張しています。
ヤボルスカ・カテリーナさん
核施設はとても複雑で危険な施設。信じられない。
長期化するウクライナ侵攻の中、カテリーナさんがキッチンカーを開業したのには理由がありました。
ヤボルスカ・カテリーナさん
ロシアによる侵攻以降、ウクライナから大勢の人が日本に来た。1,000人くらい。
だが仕事の場があまりない。日本語がわからないからだ。
ロシアによる侵攻以降、来日している避難民の数は1,600人を超えますが、言葉の壁のため仕事に就けない人のために働ける場を提供したいと話します。
先月、クラウドファンディングで集めた500万円あまりの資金を元手に滋賀県彦根市に1号店を開業。そして8月8日に2号店をオープン。将来的は10店舗を開業し、ハルキウに残る父親のローマンさんを日本に呼び寄せたいといいます。
ヤボルスカ・カテリーナさん
キッチンカー事業を始めたのはウクライナからの避難民の雇用が目的。
東京には多くのウクライナ人がいるから東京で店を始めようと思った。