政府は5月31日に岸田総理大臣が掲げる新しい資本主義の実行計画の骨格を公表しました。雇用の流動化を促すための人への投資やスタートアップ(新興企業)への支援の強化を盛り込んでいます。
日本の経済成長につながるのでしょうか。
「新しい資本主義」案を公表!成長4分野に重点投資
岸田総理

社会的課題をエネルギー源と捉え新たな成長を図る。
岸田総理の看板政策「新しい資本主義」の実行計画案は4つの成長分野への重点投資が柱となります。
①"人"への投資
成長分野に労働力が移るよう職業訓練や学び直しを促します。
②"科学技術"への投資
再生医療やAI(人工知能)などの研究開発を後押しします。
③"脱炭素・デジタル化"への投資
脱炭素化へ向けた投資に充てるため新たな債権を発行。
また医療機関や中小企業のデジタル化を進めます。
④"スタートアップ"への投資
資金調達をしやすくするなどしてスタートアップを5年で10倍に増やす計画です。
岸田総理

民間資金を思い切って投入するため、呼び水となる財政出動、規制緩和、税制改正をしっかりと行っていく。
会議に出席した経済団体からは…
経団連
十倉会長

資本主義、市場経済の良いところを踏まえながら行き過ぎた資本主義を生んだところを是正していこうという内容が入った。
日本商工会議所
三村会頭

社会課題を特定し、官民が力を合わせれば経済成長につながる。
企業も実行計画案を歓迎!
100万人の学び直し支援
企業も歓迎しています。
政府が最も重要な投資として人への投資をあげたことについて人材サービスを手掛けるパソナグループは…
パソナグループ
中田光佐子常務執行役員

国を挙げて人的資本に投資して検証をすることは新たな動きだ。
人への投資の中心となるのが学び直しなどを通じたスキルアップですが、現状では課題も…
パソナグループ
中田光佐子常務執行役員

仕事をしながらで時間がないとか費用面で難しいと。
学んだことがすぐ処遇や評価につながるか見えづらい。
学び直しの動きを本格化させるため政府は3年間でおよそ4,000億円を投じ、100万人の能力開発支援に取り組むとしています。
個人保証なくし起業促進
そして4本の柱のひとつ、スタートアップ支援に期待を寄せる企業も。
ミドリムシを活用した食品や化粧品などの製造・販売を行うバイオベンチャー「ユーグレナ」。
2005年に創業し、2012年には当時の東証マザーズに上場。去年の売り上げは300億円を超えるまでに成長しました。
しかし、その日本を代表するベンチャー企業「ユーグレナ」も創業から間もない時期は…
ユーグレナ
出雲充社長

われわれも銀行から融資を受けていた。
その借金は全部社長の私が個人保証、連帯保証をしている。
個人保証とは金融機関から融資を受ける際、経営者などが保証人となり自宅や自家用車などを担保にするものです。
倒産した場合、個人の財産を切り崩す必要があり、足かせになっていたといいます。
さらに個人保証は融資だけでなく…
ユーグレナ
出雲充社長

プリンターやコピー機を使うが私の会社も注文しようとしたら「あなたの会社はベンチャー会社、小さい会社なので社長の個人保証が必要」と。
今回、岸田政権は「新しい資本主義」実行計画案の中にこの個人保証を不要とするスタートアップの支援を盛り込んでいます。
ユーグレナ
出雲充社長

ベンチャー企業の代表者の個人保証が外れると子どもたちや学生にベンチャー企業を勧めやすくなる。
ようやく日本もグローバルスタンダード、世界と同じスタートラインに立てるから、コレは大きい。