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[モーニングサテライト]【CFO参上】セイコーエプソンCFOに聞く!「収益」と「環境」両立できるか?[セイコーエプソン株式会社]

2022年4月15日

モーニングサテライト

企業の財務責任者に成長戦略を聞くCFO参上。今回は情報関連機器や精密機器を手掛けるセイコーエプソンです。

エプソンというと家庭用のインクジェットプリンターが有名です。家庭用のインクジェットプリンターは国内シェアが1位で競争力はありますが、業績はここ数年振るわないです。

そこで去年、戦略を抜本的に見直して売上至上主義からの脱却を図りつつ、環境対策については大胆な目標を打ち出しました。果たして収益と環境対策の両立はできるのか、その2つを担うCFOに聞きました。

再生技術で「地下資源ゼロ」へ

「カーボンマイナス」実現性は?

いきなりジャングルの景色が広がり、足元には小川のせせらぎが…

セイコーエプソン
瀬木達明CFO

当社のプロジェクター17台で空間演出している。

エレベーターホールの上に据え付けられたプロジェクター、今回取り上げる企業セイコーエプソンの製品です。

プロジェクターのほか、インクジェットプリンター、複合機、時計などを手掛けています。

1988年にはいち早くフロン全廃を掲げるなど環境に配慮した経営を行ってきたエプソンは去年3月に新たな環境目標を発表しました。

ひとつが2050年に「カーボンマイナス」にすること、つまり温室効果ガスの削減量を排出量よりも上回る状態にするといいます。

そしてもう一つの目標が「地下資源消費ゼロ」。原油や金属などの資源は使用しないという野心的な目標です。

こうした環境戦略と会社全体の財務を一体的に担っているのが瀬木達明CFOです。

セイコーエプソン
瀬木達明CFO

環境を取り組むことで社会的価値が上がり、注力することで成長できる。

カーボンマイスに向けた取り組みとして例えば主力製品であるインクジェットプリンターは印刷する時、レーザープリンターのように熱を出しません。このためオフィスのプリンターをレーザーからインクジェットに置き換えることで消費電力をおよそ80%削減できるといいます。

そして地下資源消費ゼロを目指す鍵となるのがこちら。使用済みの紙から再生紙を作る機械「ペーパーラボ」です。

セイコーエプソン
瀬木達明CFO

紙をリサイクルする場合は水を使って紙を溶かして作る。
この機械ならほとんど水は使わず、機械の中で紙の再生が完了。

使用済みの紙を機械に入れると3分で再生紙が。

使用済みの紙がドライファイバーテクノロジーという技術によって細かい綿のような状態になります。実はこれが再生紙の原料となるだけでなく、地下資源ゼロ目標につながります。

セイコーエプソン
瀬木達明CFO

繊維をほぐした紙の中に糖分、これがミドリムシのエサになる。
そこから「パラレジン」というプラスチックに代わる材料を作り出す。

地下資源ではなく、自然由来であるバイオマスプラスチック。その技術開発や普及促進を目指すコンソーシアム「パラレジジャパンコンソーシアム」をミドリムシを使った燃料開発などで知られるユーグレナやNECと設立しました。

2030年には年間20万トン規模のバイオマスプラスチックの供給を目指します。

セイコーエプソンの収益改善策

事業ごとの目標に「メリハリ」

ただそうした環境戦略も収益と両立できてこそ。

エプソンは去年、経営計画の大幅な変更に踏み切りました。

セイコーエプソン
小川恭範社長

事業戦略の見通しには甘さがあり、過度の売り上げ成長を前提とした計画だった。

2025年度までの中期経営計画に無理があったと率直に認め、その原因となった売り上げの目標数値を示さないことにしたのです。

代わりに新たな目標として利益の指標であるROS(Return On Sales)、売上高利益率を2025年度に10%以上にすると発表しました。

セイコーエプソン
瀬木達明CFO

売り上げを伸ばすためとにかく費用をかけた。
しかも「ほとんど全商品頑張ろう」と、これで損益分岐売上高が上がった。
何とか変えよう、意識も変えようと始めた。

すべての事業の売り上げを伸ばす考え方を改め、事業を成長性と収益性で4つの領域に分類。

家庭用プリンターなど成熟した領域はROSの向上を目標に掲げる一方、成長性が高い事業や新規事業には赤字でも資金を投じ、売り上げ拡大を重視するようにしました。

2022年3月期のROSは前の期よりも改善して7.5%の見込み。利益が出る体質へと変わってきています。

塩田真弓キャスター

社内の変化は?

セイコーエプソン
瀬木達明CFO

「新領域」や「成長領域」ではもうからなくてごめんなさいと。
そうではない、今は産みの苦しみ、赤字でもいいから頑張ろう。
「成熟領域」でもうかればいいのではなく、期待以上の利益を出してほしいと。
会社の中で「メリハリ」がきくようになった。

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