唸るエンジン!
オフロードバイクで日本最高峰のレース「全日本モトクロス選手権」。

1秒を争うこのレースを今あるものが革命を起こしています。
それが電気の力でエンジンをかけるセルスタート。


今までは足でキックペダルを踏みエンジンをかけるキックスタートでした。


激しいモトクロスのレースでは転倒は当たり前。

その度、100キロある車体を起こしてからキックでエンジンを掛けるのはタイムロスが大きかった。

そんな中、ホンダが去年導入したセルスタートが好成績を収め一気に普及。

日本歴代最多勝利のトップーレーサーの成田亮選手も絶賛します。

今までなら15秒ロスしていたのがセルスタートだと5秒で復帰できる。

すごくレースでは有利になる。

これを実現させたのが小型軽量のリチウムイオン電池。

しかしリチウムイオン電池というと衝撃に弱く、発火の危険性が…

それを克服したのがベンチャー企業が開発した電池。

釘を差しても、ライフル銃で撃ち抜いても燃えません。

大企業からアメリカ軍までその実力を買うベンチャーとは?

エリーパワー株式会社
[blogcard url="http://eliiypower.co.jp/"]
燃えない電池を作ったのがエリーパワー社長、吉田博一氏。

なんと御年80歳。

股関節が固くなるとひっくり返るし考え方もだんだん固くなってくる。

健康維持のためにストレッチを毎日続けています。
そこまでして実現したかった燃えない電池。
リチウムイオン電池
工場を特別に見せてもらうと、

この中に人はほとんどいない。

実はここ、全自動の工場。

電池は湿度を嫌うため人が発する汗なども大敵。

湿度が変われば品質が悪い電池ができ、発火の可能性が生じます。
そのリスクを徹底的に無くそうとして無人に行き着きました。
「なぜそこまで安全性にこだわる?」
電池はエネルギー。安全でなければいけない。

これは手榴弾1個分のエネルギーだといわれている。

大きなエネルギーを蓄える電池。一つ間違えれば命に関わります。
一般的な電池では部材を巻いて作るためプラスとマイナスが触れてショートが起こると熱が逃げずに膨張、爆発に至ります。

一方、エリーパワーの電池は部材を積み上げて作るため熱が逃げやすい。

さらに燃えにくい材料を使ったことでショートを起こしても燃えないといいます。
米軍が興味を持って使いたいという話があった。

総工費200億円をかけたというこの工場。

ベンチャー企業がなぜそこまでできたのか?
吉田博一社長
旧住友銀行の副頭取をやっていた。

住友銀行の副頭取にまで上り詰めた人物が起業したのはある偶然からでした。
それは吉田氏がたまたま慶応大学の電気自動車開発プロジェクトに参加したとき。

なんだこの加速は…

吉田は心を打たれました。
いつか電気自動車の時代が来る。

早速、吉田氏は動きました。
一緒にやりませんか。
しかし、ガソリンエンジンを守りたい自動車メーカーは拒否。

さらに、
ほとんどの電池メーカーのトップに会った。三洋電機、パナソニック、ソニーも。

あんな危ないものを大きくできないと言われた。
そんな中、大学の別の研究室でリチウムイオン電池が爆発。

だからどこの会社も作りたがらなかったのか…

しかし、ある想いが…
このまま終わっていいのか?

だったら俺が作ってやる!

このとき吉田氏は69歳、企業を決意しました。
吉田氏の考えに新たな事業分野の開拓を目指す大企業が賛同し出資。

資本金315億円の巨大ベンチャーが誕生しました。

大和ハウス工業株式会社
[blogcard url="https://www.daiwahouse.co.jp/"]
こうしてできた電池は現在、大和ハウスなどの住宅で太陽光を溜める蓄電池として使われています。


将来は大和ハウスの住宅で電力事業ができる。

エリーパワーの蓄電池は通信システムを搭載。遠隔で充電・放電のコントロールもできます。

街全体の電池を一元管理することで今後、街の中で電池を融通し合ったり電気を別のエリアに売ることも可能になります。

燃えない電池が生活を大きく変えようとしています。
太陽光、風力、バイオ、地熱、いろいろな発電はあるがこれを同質のエネルギーにするには電池しかない。

電池はこれから地球を救う。
