朝活タイム「ふちこの突撃マーケット」。
今回のテーマは「何がメリット?『企業分割』」です。最近アメリカではゼネラル・エレクトリックやジョンソン・エンド・ジョンソンが、そして日本では東芝が分割の発表をするなど注目されています。
企業分割と聞くと会社が切り離されるの少しネガティブなイメージを持つ方も多いかもしれませんが、企業にも投資家にもメリットがあるようです。
相次ぐ「企業分割」
企業・投資家のメリットは
ある事業を分割した企業を見に来ました。
訪ねたのは日用品大手「ユニリーバ・ジャパン」です。
商品が並んでいます。シャンプーやボディソープなどの日用品がありますが、このフロアにはユニリーバと並んでエカテラ・ジャパン株式会社という別の企業が入っています。
そのエカテラのオフィスを訪ねると…
エカテラ・ジャパン・サービスの池田奈穂さん。
紅茶事業を行っている。
このエカテラはユニリーバが持っていた紅茶事業を独立した新会社です。ユニリーバには3つの主要な事業があり、その中から紅茶事業をおよそ2ヵ月前に分割しました。
立ち上がったばかりのエカテラ、これから引っ越し予定ですが今はオフィスをユニリーバ内に間借りしています。
紅茶事業だけに集中して考えることができる。可能性が広がった。
今回、社長に就任した光宗晃子さん。分割を機に取り扱う商品を増やすことを決めました。
今まではリプトン以外のブランドを展開することができなかった。
早々に展開させる予定。
今年発売予定のタゾはアメリカで人気No.1のティーブランドです。これで新たな需要を取り込む狙いです。
中でも人気のチャイティーを頂きました。
ジンジャーやシナモンのスパイスの香りがしっかりする。
ミルクで割っているのですごくまろやか。
今回、分割した理由を光宗さんに聞きました。
「企業分割した理由は?」
ユニリーバは大きな企業で紅茶事業の他にもシャンプーなどのいろいろな事業体がある。
紅茶は市場自体も伸びていて、まだまだ伸びしろがある。
商機がある市場に対して満足な投資ができていなかった。
事業をより強化する手段というワケです。
ただ分割について専門家は本社側の事情も大きいと話します。
智剣・Oskarグループの大川智宏氏。
企業分割は事業の選択と集中に注力できるというメリットがある。
会社本体の方は業績がよく見えるので株価としてもメリットがある。
イギリスのユニリーバ本社では去年、エカテラをファンドに45億ユーロ、5,800億円で売却すると発表。
紅茶事業を切り離し、成長事業に集中します。
東芝の綱川智社長。
独立した3つの会社とする戦略的再編を行う…
最近では東芝が事業の分割を発表。また資生堂も日用品事業の一部を分割し、ファンドに売却しました。
企業分割は企業が自発的にというよりも株主など外部的圧力により行われることが多い。
「今後も企業分割は進んでいく?」
上場している以上は避けられない問題にはなってくる。
外部からの圧力も背景にあるようです。
さて企業分割といえば切り離されたという印象もありますが、実際はどう感じているのでしょうか。
実際その身になってみると全くそんなことはない。
紅茶だけを考え、商品を決めるプロセスがすごくスピーディーになった。
社員も活気あふれてディスカッションなども盛り上がるようになってきた。
分割で企業がコンパクトになり、社長と社員の距離が近くなったそうです。
リプトンでキャラクターって新しい試みだと思う。
この日は新商品のキャラクターについての話し合い。
紅茶はいろいろな楽しみ方がある。キャラクターを通し伝えられると堅苦しくない。
こちらの稲井彩乃さんは自由に挑戦できる環境を求めて分割時に自ら志願し異動してきました。
「なぜエカテラに異動してきた?」
どんどんやりたい仕事に手を挙げて挑戦できる。
経験が浅い中でもいろいろ挑戦させてもらえる環境は自分が大きく成長できる。
さらにこちらの鈴木加純さんは分割を機に30歳の若さで課長に昇進しました。
新しいチャレンジをしていきたいという主張がすごいできるようになっている。
今までできなかったことができるのかなと思っているのですごい楽しみ。
若くして昇進する人が増えるなど分割によって若手が活躍する機会が増えたと思います。
では視点を変えて投資家にとっては…
「投資家としては企業分割をどう見ている?」
投資家の立場からするとメリットが大きい。ポジティブなところが多い。
株式市場にとっては効率的になっていくので悪い話ではない。