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[WBS]エーザイ アルツハイマー新薬!"症状悪化抑える効果"を確認[エーザイ株式会社]

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認知症の新たな治療薬。製薬大手のエーザイはアメリカ企業と開発しているアルツハイマー病の新薬の治験で症状の悪化を抑える効果が確認できたことを明らかにしました。2025年には高齢者の5人に1人が認知症になるといわれる中、今回の新薬はアルツハイマー病治療の新たな選択肢となるのでしょうか。

エーザイ 年度内承認申請へ
アルツハイマー新薬"効果確認"

東京・文京区のエーザイ本社で午後3時から開かれた記者会見。

エーザイ
内藤晴夫CEO

アルツハイマー病の臨床症状が改善することが証明された。
認知症における大きな前進。

内藤CEOはアメリカのバイオ医薬品大手「バイオジェン」と共同で開発しているアルツハイマー病の新しい治療薬「レカネマブ」の最終段階の治験で症状の悪化を抑制する効果が確認できたと発表しました。

この結果からエーザイは来年の3月末までに日本とアメリカ、EUで承認申請を行う予定です。

エーザイ
内藤晴夫CEO

治験結果はパーフェクトな成功に近い。
私から役員に伝えたが泣いた人はたくさんいた。

治験は日本やアメリカ、ヨーロッパなどで軽度の認知症患者などおよそ1,800人を対象に調査。

偽の薬を使用したグループと比べレカネマブを使用したグループは症状が悪化するのを27%抑えられ、有効性が確認できたとしています。

アルツハイマー病が発症する原因は脳の中にアミロイドβと呼ばれる異常なタンパク質がたまり神経細胞を壊すことになると考えられています。

レカネマブはこの異常なタンパク質、アミロイドβを取り除く薬です。

今までは一時的に症状を和らげる飲み薬などしかありませんでしたが、根本的に病気の進行を抑えることができるとしています。

実はエーザイと新薬を共同開発するバイオジェンは去年6月に…

バイオジェン
ミシェル・ヴォナッソスCEO

2週間で出荷を始められるところまで来ている。

レカネマブとは同じ仕組みの治療薬「アデュカヌマブ」がアメリカのFDA(食品医薬品局)に18年ぶりに承認されたと発表。

ところが最終段階の治験では有効性を示すことができなかったのです。

新薬「レカネマブ」の今回の治験結果について認知症の専門家は…

メモリークリニックお茶の水
朝田隆理事長

前回の薬(アデュカヌマブ)はAとBがあったら両方の成績が一致しなかった。
今回の薬はアルツハイマー病のアミロイドβという原因を体の外に出す。
それにより病気の根本的な経過を変えてしまう。それだけの力がある薬。

新薬の期待はマーケットでも。

伊大知明宏記者

アルツハイマー病治療薬の有効性が確認されたことを受けて、きょうのエーザイ株はストップ高となりました。

エーザイには買い注文が相次ぎ、株価は前の日より17%以上値を上げてストップ高水準で取引を終えました。

内藤CEOはアルツハイマー病の根本治療に向けての自信を見せました。

エーザイ
内藤晴夫CEO

認知症の要因がようやく分かってきて、物質は違うが同じようなアプローチで取り除くことができると大きく治療薬の開発に向け道が開けてきた。
明るい展望が見えてきた。

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