いまアメリカや中国など海外で何が起きているのか、海外支局の特派員による報告を中心にお伝えします。
今回は中国のテクノロジーの最先端をシリーズで伝える「中国Tech」です。
中国がドローン大国であることは何度かお伝えしていますが、いまドローンの次世代の乗り物が実用化に向けて加速しています。
その現場を取材しました。

EHang
[blogcard url="https://www.ehang.com/index.html"]
中国南部、香港やマカオにも近い珠海市。

1月、市内で行われていたのた地元の運輸サービス会社が開いた式典でした。
その主役は新たに購入したという全長5.6メートルの大きなドローン。

すると式典の参加者たちが次々に乗り込みます。そのまま飛び立ちました…
じつはこれは人が乗ることが出来るドローン。空飛ぶクルマです。

非常にスムーズ。すごく良いし便利だと思う。

何も操作せず自撮りをしていた。風景などを撮影していた。

価格は1機およそ3,200万円。すでに100機以上も売れているのです。

一体どんな乗り心地なのか記者も体験飛行が許されました。

上海支局の菅野洋平記者、
上にふわっと持ち上げられるように上がりました。

ヘリコプターとは全く違う乗り心地。

機体についているモーターの振動がお尻に伝わってくる。

非常に乗り心地はいいです。

16のモーターとプロペラで飛び、最高時速は130キロ、最大220キロの人や物を35キロ先まで運ぶことができます。

今これ川の上ですね。

横にふらついたりする揺れを一切感じない。

かなり安定感がある。

機内には操縦桿はなく、iPadのような画面があるだけ。完全自動飛行なのです。
こちらは空飛ぶクルマを購入した会社の社長。観光飛行や移動サービス用に22機導入しました。
飛行天下の盧霆CEO、
道路を整備する果てしない過程を省くことができる。

すぐにビジネスにできる。

空飛ぶクルマで未来はどう変わるのか?

開発したのは広州に本社を置くイーハンです。

イーハンの社員の通勤専用バスが停まっています。イーハンはナスダックに上場しているので銘柄コードが書かれています。

2014年の創業後、一時は財務状況の悪化でアメリカ支社を閉鎖するなど経営危機も報じられたものの、2019年にナスダックに上場し、およそ40億円を資金調達。


空飛ぶクルマの開発は5年前から始め、これまでに1万回以上の試験飛行を行っているといいます。

イーハンの張宏セールス責任者、
安全のために制御、バッテリーシステムは複数のバックアップを用意している。

4つのプロペラが同時に故障しても正常飛行できる。

高い安全性を盾に高層ビルの火災のための消防モデルも開発。

消火剤が入ったカートリッジをミサイルのように発射する方法や放水で火を消します。

すでに地方都市の消防局に納品済み。
ただイーハンが見据えているのは、
これはE-portと呼んでいて空港のようなもの。

都市に多数のE-portを設置することで空飛ぶクルマは自動飛行の管理の下で迅速なネットワークを作れる。

現状のインフラでは自動車の渋滞は軽減できない。

ヘリコプターよりも軽く、小さいためビルの屋上など狭い場所でも離発着が可能。
高い機動力を生かし空飛ぶタクシーのような交通インフラを作るのだといいます。
夢のような構想にも思えますが別の幹部はすでに法整備などの準備も進んでいると強調します。
イーハンの徐華翔CSO、
中国民航局とは2年以上共同研究を続けている。

大きな進展があり、2021年までには試運営の許可証も発行される見込み。
