新型コロナは私たちの仕事のスタイルを大きく変えようとしています。
東京・千代田区に本社を置く人材派遣大手のパソナは9月から兵庫県の淡路島へ本社機能の移転を始めています。
また渋谷区のクラフトビールメーカーは今月から山梨県の小菅村に本社機能を移すなど東京本社を見直す動きが広まっています。
東京を捨てられるのか…
自ら検証を始めたある会社の挑戦を追いました。
株式会社エビソル
[blogcard url="https://www.ebisol.co.jp/"]
東京・恵比寿。
商売繁盛のご利益があるとされる恵比寿神社にお参りする一人の男性。
田中宏彰さん(48歳)。
この地で「ebisol(エビソル)」という会社を経営しています。
恵比寿とソリューションをかけ合わせた社名。
本社が恵比寿にあるというだけで採用力にも結構影響する。
東京に本社を構えることは重要度は高かった。
2011年に設立、社員はおよそ70人。
東京に本拠地を置くことにこだわってきた会社です。
エビソルの主な取引先は飲食店。お客様からの予約を管理するシステムを開発し提供しています。
8月にはLINEと組んだ新たなサービスを発表。
飲食店が電話予約を受ける際に一部をAI(人工知能)が担ってくれるというもので今月サービスが始まりました。
9月下旬、そのエビソルの本社を覗いてみると空席が目立ちます。
緊急事態宣言を機に多くの社員を本格的なテレワークに切り替えました。
そんな中、田中さんがある疑問を感じていたのです。
テレワークでどこでも働いていいことになると本社の物理的な意味合いは薄れていくのかもしれない。
なんだろう本社って。
東京に本社は必要か?
地方拠点でも仕事はできのか?
10月、田中さんが向かったのは日本有数のスキーリゾート、長野県白馬村。
田中さん、あえて対面での仕事の多い営業チームを集めて9日間検証しようというのです。
田中さんに持ちかけたのはこの人。スキー場を運営する和田寛さんです。
早速職場へ。
通勤手段はゴンドラです。
標高1,200メートル以上の山頂を目指します。
ここは森のオフィスと呼んでいて。
ここにWi-Fiもある。
和田さん、森の中で快適に仕事ができるようWi-Fiや電源を整備してきました。
白馬の課題が冬はお客様が多いが春から秋にかけてお客様が少ない。
企業に来てもらうなど稼働率が上がる取り組みはメリットがある。
森を抜け、目の前に広がるのは白馬の絶景。
村全体が彼らの職場になります。
この日は森のオフィスで仕事。
いつもオフィスだと密集した空間でずっと画面しか見ていないので、緑見ながら気持ちいい空気を吸い、仕事ができるのはいい環境。
この町に拠点を置けるのか、田中さん気になっていた場所を訪ねます。
託児所です。欠かせない施設の一つ。
子供をここに預けて自分は仕事して。
いいですね。
この日は宿泊先の共有スペースで仕事です。
金額も含めご連絡させていただきます。
「東京と環境が変わりましたが?」
不便なことはない。
何も変わらない。
白馬に営業部隊を送り込んで1週間。
恵比寿の本社。
一足先に東京に戻ってきた田中さん。
白馬で働く社員たちにあることを尋ねます。
東京の恵比寿に本社があるのはどんな意味があるか聞きたい。
岸由佳子さん、
本社をなくしてみんなバラバラに働けると思うけど、私たちが飲食店向けの営業をしているのでいま東京で飲食店がどういう状況か、普段ランチをしているだけでインプット情報はすごくある。
東京の本社のある意味はそういうところ。
東京を離れたことで改めて本社の意味を考えたようです。
田中さんは社員の意見を聞きながら引き続き検討していくといいます。
コロナを機に本社機能を効率化し、小さくしていくのは課題。
働く場所の選択肢を増やしていくことに取り組む。