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[WBS][COP26 × WBS]空の脱炭素化 SAF拡大![株式会社レボインターナショナル]

ワールドビジネスサテライト(WBS)

二酸化炭素排出ゼロに向けた動きが世界で加速する中、出遅れているといわれているのが航空分野です。

いま環境負荷の少ない航空機向けの再生燃料「SAF」を使用する動きが世界で加速していて、SAFを使うことで従来の燃料よりもCO2の排出量を8割削減でいるといわれています。

その最前線を追いました。

株式会社レボインターナショナル

[blogcard url="https://www.e-revo.jp"]

イギリス中部ダービー。ある施設が公開されました。

エンジンを製造するロールスロイスが今年稼働を始めた世界最大の屋内エンジン試験施設です。エンジンをX線にかけながら実験できます。

150億円を投じ、ここを作ったのには理由が…

ロールスロイスのウォーレン・イーストCEO。

地下から掘り出す化石燃料ではなく、安全性の高い燃料SAFの利用に注目している。

そのためにここでテストを行う。

廃油や植物などを原料として環境負荷の少ない持続可能な航空燃料はSAFと呼ばれます。

この燃料でエンジンを動かした時の安全性、確認が急務なのです。

さまざまな燃料を試すため14万リットルのタンクも備えました。

記者会見では機体メーカー「エアバス」や燃料会社「シェル」の幹部の姿も。

シェル・アビエーションのアンナ・マスコロ社長。

産業として脱炭素に立ち向かっていく姿勢は明らかだ。

各社が力を入れるのには理由が、イギリスで開催中のCOP26でも…

ロンドン支局の中村航記者。

COP26の会場で世界のリーダーたちが責められました。新聞には「PM'S FLYING SHAME(飛行機に乗るのは恥)」と書かれています。

飛行機に乗るのは恥、通称「飛び恥」ともいわれています。

新聞はリーダーたちが使った従来燃料のジェット機は電車の50倍のCO2を出したと避難しています。

国際航空運送協会は先月ある目標を発表。現在、世界の航空燃料に占めるSAFの比率は1%以下ですが、2050年に65%まで引き上げる必要があるとしました。

すでにドイツのルフトハンザ航空やアメリカのユナイテッド航空ではSAFで飛ぶ定期便がスタートしています。

欧米が先行する中、遅れを取っているのが日本です。

ライバルである日本航空と全日空。そのトップ2人が異例の同時取材に応じ、危機感をあらわにしました。

日本航空の赤坂祐二社長。

欧米はSAFを開発・製造し進んでいる。

日本は今、取り残されている。

全日本空輸の平子裕志社長。

どれだけコストや時間がかかろうと今からやらなければいけない。

現在、両社は試験的にSAFを使っているものの定期便の運行には至っていません。

国内でSAFを製造する事業者はほとんどおらず、今後の大きな課題はSAFの安定的な調達です。

地産地消が大前提になる。

日本で作り、日本で使うと輸送コストがかからずCO2も出ない。

その答えの一つが京都になりました。こちらの飲食店「ころ家」に作業員の男性が訪ねてきました。

そのお目当てはというと…

唐揚げではありません。

これ2つお願いします。

揚げ物に使った廃食油です。

その油を回収。タンクに注ぎ込みました。

トラックが向かったのはこちらの企業。

レボインターナショナルという会社で全国にある2万3,000店舗から食品に使われた油を回収しています。

実はこの会社、2007年にパリのダカール・ラリーを走った車に天ぷら油を再生した油を提供したことで知られています。

そしていま乗り出しているのが航空機向けのSAFの開発です。

レボインターナショナルの越川哲也社長。

純国産のSAFを製造している装置。

このSAF、自動車などに使われる再生燃料とどう違うのか?

航空機向けのSAFは燃料を効率的に使うため燃えやすさが求められ、上空などの低温下でも変化が起きないようマイナス50度でも状態を維持できることが求められています。

4年前から開発を行い、現在実用化に向けて国際的な認証を得る手続きを進めています。

ただ課題も…

私たちがトラックに乗り、一斗缶1つから原料調達するので非常にコストがかかる。

1軒1軒回る廃油の回収は時間もかかり、SAFのコストは既存の航空燃料の3倍以上になります。

補助金など国に支援してもらうことで調達体制を整備し、価格を引き下げたい考えです。

日本の大切な資源、これを国内で循環させていく。

バイオ燃料でCO2を削減していく。

資源が少ない日本がやっていくべき取り組み。

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