マルマン株式会社
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1958年、東京タワーが完成。1万円札も登場して日本が豊かさを手に入れ始めた頃、日本人の想像力を支えてきたある商品が誕生しました。
マルマン株式会社の図案シリーズ「スケッチブック」。B4サイズで定価432円。
絵画教室「ペイント・スコレー」の三浦高宏代表は、
この金額でこの品質はすごい。
発売から約60年、累計8,000万冊を発売。シェア5割以上を占めるスケッチブック。
デジタル時代にも負けないロングセラーの極意とは?
スケッチブック
1920年創業のマルマン。同年に学習用スケッチブックの製造販売を開始。
本社のエレベーターもお馴染みの柄です。
日本で初めてスケッチブックを開発した文房具メーカーです。お馴染みのスケッチブックを生み出したのは2代目の井口秀夫社長。
それまで糊で綴じていたスケッチブックは子供たちが使うと紙がバラバラになるという問題がありました。
そこでリングで綴じたものに変更しました。
しかし、ワイヤーを手で巻き穴に通すのはすべて手作業。量産するのには限界がありました。
そこで、井口栄一社長によると、
まだ外国渡航が許されていない時に外務省にかけあって、昭和33年(1958年)にドイツに渡ってリング製本の機械を買いに行った。
こうして輸入したのがスパイラル製本機。ワイヤーを自動でクルクル巻き、画用紙の穴に通す機械です。
こうして1958年に量産型スケッチブックが誕生。生産能力が一気に上がり一般の文具店などに販路を広げ飛躍的に販売が伸びました。
デザイン
もうひとつ画期的だったのが表紙のデザイン。
ある日、一人の学生が自分のデザインを売り込みに来ました。その斬新なデザインを社長が気に入り表紙として採用が決まったのです。
やっぱり奇跡的な出会いだった。何か勘が当たったのでは。
描き味
さらに描き味にもこだわり続けています。
きれいににじむ現象。周りに溶け込むようなにじみ方が紙の特徴。
紙の表面にはシボと呼ばれる凹凸があり、この凹凸加減が様々な画材に対応する独特の描き味を生んでいます。
シボを作るのがフェルト。紙を作る工程で押し当てて凹凸を作ります。一般的な紙に使うフェルトとは異なる凹凸を独自開発しました。
仕上がった神の重さや、さまざまな絵の具での描き味をチェックし徹底的に品質管理をします。
宮崎マルマン株式会社
さらにもうひとつ、ロングセラーのヒミツが。
宮崎にある工場の生産ラインにはほとんど人がいません。
機械化を進めコストの高い紙を使っても買いやすい価格に抑えるため徹底的に生産効率を追求しています。
ここで1日6万冊ものスケッチブックが作られています。
最近ではシリーズ商品を増やし、簡単な線が描かれた子供向けの商品も親子で楽しめると人気です。
幅広く愛されるロングセラーの極意とは?
ロングセラーの極意
世界的に見ても非常に安いスケッチブック。先手を打って生産を合理化しお客様にコスト負担をかけない。