イギリスの家電メーカー「ダイソン」。ダイソンは家電メーカーでありながら2017年にイギリス国内に大学を設立しています。WBSは日本のテレビとして初めてこのダイソン大学の内部取材に成功しました。また、なぜ大学を作ったのか、創業者のジェームス・ダイソン氏にインタビューしました。
ダイソン株式会社
[blogcard url="https://www.dyson.co.jp/"]
東京・有楽町の家電量販店。
うわっすごい。
吸引力が売りのお馴染みダイソンの掃除機。この店ではいまも一番人気です。
さらに同じサイクロン方式を採用したロボット掃除機も人気です。
吸引力はライバル製品の4倍相当だといいます。
ほかにも羽のないドライヤーに、同じく羽のない扇風機などオリジナリティー溢れる製品ばかりです。
他メーカーとは比べものにならない。
そして、この夏に最も注目なのがパーソナル空気清浄機。扇風機としても使えます。
球体部分を触るだけで風向きが変化。浄化された涼やかな風をピンポイントで送り出します。
ビックカメラ有楽町店の星創さん、
今までにない商品。かなりの台数が売れている。
独占!「ダイソン大学」の全貌!名門ケンブリッジを超える!?
ロンドンから車で3時間。牧場が広がるこの田舎町にダイソンの研究開発拠点があります。
建物の中に入ろうとすると、見えてきたのはダイソンのあのドライヤー。
実はここが建物の入口です。
中には早速あの掃除機が…
日本では発売されなかった歴代製品もずらりと並んでいました。
ダイソンの製品開発の現場ではどのようなことが行われているのでしょうか?
こちらの部屋で行われていたのは掃除機の吸引力の実験。
掃除機の前で何やら熱のこもった議論をする人たちがいました。
このうちの1人は別の部屋に移動。
フィルターは中に入っている?
そう、二重のフィルターになっていてごみの侵入を防ぐ。
実はこちらの男性、ダイソン大学1期生、フレディ・ガーンハムさんです。
実際にダイソンの製品開発の現場に入り社員に様々な質問をぶつけていました。
開発に参加できるのはうれしい。
ここに来る前は単に誰かが作って、誰かがテストしているだけと思っていた。
でも実際の開発にはもっと多くのプロセスがあると学んだ。
現在、ダイソン大学で学ぶ学生は74人。施設内の教室で数理工学や電子回路学などを学んでいます。
ジェームス・ダイソン氏
なぜわざわざ大学を作ったのか、創業者のジェームス・ダイソン氏がWBSの単独取材に応じました。
アイデアはたくさんあっても技術者、科学者が足りない。
もっともっと多くの技術者が必要だ。
今後の技術競争に勝ち抜くためには10年前より2~3倍の技術者が欲しい。
ダイソン大学の学生
優秀な学生を集めるためダイソン大学には様々な特典が用意されていました。
豊島晋作記者、
こちらグレーの大きな箱のようなものがたくさん積んであります。これすべて学生寮ということです。
中に入ってみますと…割と広いです。開放感があります。
1年生向けに用意したという学生寮。家賃は水道・光熱費など込みで7万円ほどとイギリスではかなりリーズナブル。
家電はもちろんダイソンです。
一体、どんな学生が集まって来ているのでしょうか?
ケンブリッジやオックスフォードも考えたがちょっと固すぎる。
理論ばかりでクリエイティブな大学ではなかった。
ケンブリッジやオックスフォードよりもダイソン大学は魅力的だといいます。
さらに、
給料が出るのは大きい。学費を払わなくてもいい。
しかもきちんと成績を残せばダイソンで安定した仕事に就ける。
実はダイソン大学の学生は年間250万円ほどの給料が貰え、優秀者には卒業後に社員になる道も開かれます。去年の入試倍率は23倍でした。
一方、先生役を務める社員は…
「学生は仕事の負担にならないか?」
ストレスはない。
私たち社員のやり方に挑戦してくるし、新しいアイデアをくれる。
ダイソン氏は若者に最高の教育機会を与えることが会社の競争力につながると話します。
私たちはオックスフォード大学やケンブリッジ大学より有意義な教育の場を提供できる。
本当の意味でダイソン大学を国際的にしようとしている。
ダイソンはシンガポール、マレーシア、フィリピン、中国、アメリカに拠点がある。
それらの国でも学べるようにすれば学生にとっても素晴らしいことだ。