マーケットや経済の旬の話題をお届けする朝活タイム「ふちこの突撃マーケット」。
今回のテーマは「女性の活躍 企業に何をもたらす?」。
帝国データバンクの調査によると企業の女性管理職の割合は平均8.9%で過去最高となりました。SDGsの動きが広がる中で女性の登用に取り組む企業は増えていますが、政府が目標とする30%には程遠いのも事実です。
今回は各界で活躍を遂げた女性を表彰する月刊誌「日経ウーマン」のウーマン・オブ・ザ・イヤー2022の受賞者2人を取材しました。
活躍する女性たち
"バーガー革命"で業績回復
象のマークが目印のドムドムハンバーガー。
ドムドムの特徴といえば独創的なメニューです。
例えばこちら、ハサミのようなものが見えますが…
正体はカニです。ソフトシェルクラブです。
丸ごと1匹を揚げてサンドした、その名も「丸ごと!!カニバーガー」。
そして、その他にもカレイをはさんだ「丸ごと!!カレイバーバー」や「丸ごと!!カマンベールバーガー」など他にはないメニューがSNSなどでも話題を呼んでいます。
こうした斬新なメニューを積極的に採用しているのが藤﨑忍社長です。
「従業員からのメニュー提案に対して?」
始めからNGということはない。
本当にやりたいのであれば、それに関する責任を強く持つ。
だからいい試作ができる。
もともとは専業主婦だった藤﨑さんですが、夫が体調を崩したのを機にSHIBUYA 109で販売員として働き始めました。商品陳列の改革を提案するなど仕事に積極的に取り組み売り上げもアップ。
その後、いくつかのチャレンジを経た後、51歳でドムドムフードサービスに入社。社長に抜擢されるに至りました。
ただ当時、業績はどん底だったといいます。
1970年、ダイエー傘下で誕生したドムドム。
一時は全国400店舗以上展開していましたが店舗の数は27まで減りました。
ドムドムの復活を目指し、経営方針として掲げたのは…
数字が目標になるのではなく、働く皆が"思い"をかけ合いながら、同じ目線で同じ目標に向かって歩くことが大切。結果として数字や成長がついていくる。
店舗を回り、働く人の声に耳を傾けます。従業員、顧客、そして取引先、いわゆる全てのステークホルダーのことを考え、ドムドムを愛してもらう。SDGsの考えで経営にあたっています。
事業の拡大にも積極的です。8月には和牛のハンバーガーが売りの新店舗「TREE & TREE」をオープン。
業績も好調で今年3月期の売り上げは1年前より倍増しました。
私はたまたま社長をやっているが、介護をしている人も素晴らしいし、どの人も活躍している。
皆がリスペクトしあえる社会になれば。
トップ企業で主力事業率いる
続いては半導体材料で世界クラスのシェアを誇る東洋合成工業です。
平澤聡美さん。主力事業の部長を務めています。
平澤さんの仕事は…
弊社が作っている感光材という粉体になります。
「カレーみたいな匂いがする。」
窒素が含まれているので、その匂いかも。
この感光材を溶かしてシリコンウエハーに塗り、半導体の細かい回路を作っていきます。半導体製品には欠かせません。
大学卒業後、研究者としてキャリアをスタートさせた平澤さん。
しかし32歳の時、夫の海外赴任に合わせ一度退職を余儀なくされました。
「女性だから退職か夫の単身赴任かの選択を迫られたと感じたのか?」
私が退職を選択するのかという話は夫とあった。
夫は「僕は行く、君はどうするか考えてくれ」と。
退職を決断したのに、そのあと結構ひとりで泣いていた。
帰国後、仕事に就いてからは事業のマネジメントから営業までマルチに活躍しています。
会社の業績は今年3月期、売上高・純利益ともに過去最高。株価も3年で21倍を超える水準まで上がりました。
女性を積極的に登用する企業とそうではない企業、果たして違いはあるのでしょうか。
こちらはTOPIXと女性活躍が進んだ企業で構成されるMSCI(日本株 女性活躍指数)というものがありますが、2015年ごろまではほぼ同じ動きで推移していますが、それ以降はわずかながら女性活躍のほうが上回っています。
女性の活躍とその会社の業績、どういった相関関係があるのでしょうか。
業績や株価に好影響?
株式相場や企業分析に詳しい番組でもおなじみの智剣・Oskarグループの大川智宏さんに聞きました。
投資家がコーポレートガバナンスやESG、SDGsなど持続可能な経営に焦点を当てる風潮になってきた。
女性に置き換えたから業績がよくなるという話ではなく、男性偏重だったところから女性も平等に採用マーケットに入ってきて、優秀な人を選べるようになった。
「女性活躍企業の今後は?」
この流れは止まらない。
しっかり女性登用に取り組んでいるかどうかが株価としても大きな差になってくる。