こちらの車いすの男性は駅の構内にあるちょっとした階段を上がるのに困っています。

そんな移動に困っている人と手助けをしたいという人をスマートフォンを使ってマッチングさせる実証実験が8月3日から始まりました。

スマホで手助け
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ミライロの垣内俊哉社長、
障害者や高齢者へ手を差し伸べることは他人ごとにとどまっていた。

ハード(施設)を変えられなくてもハート(心)は変えられる。

車椅子に乗った男性の熱い演説から始まったのは、この男性が経営するコンサルティング企業「ミライロ」や大日本印刷、JR西日本が8月3日からJR大阪駅で開始した「スマホで手助け」実証実験のオープニングイベントです。

車椅子やベビーカーの利用者が駅の構内で困った時にメッセージアプリのLINEの機能を利用して簡単に周辺の人に「助け」を求めることが出来るサービスで8月31日まで期間限定で実験が行われます。


大日本印刷株式会社
[blogcard url="https://www.dnp.co.jp/"]
旗振り役の大日本印刷は…
大日本印刷の浜崎克敏氏は、
多くの人々の力で困りごとを解決して乗り越えていけるようムーブメントを大阪から発信。

実証実験が行われる大阪駅
実験が行われるのが大阪駅。

実はこの駅、構内を歩くととにかく階段や坂が多いのです。

この駅をよく使う人からは、
階段で行きにくいところは多い。すごく回り道をしていく。

時間はかかる。待ち合わせ時間に間に合わないこともある。

こうした人達に早速、このサービスを使ってみてもらうことに。

どのようなサポートが必要かを選びボタンを押します。

すると手助けをするサポーターとして事前に登録している人の中でその時、近くにいた人に知らせが来ます。

鵜飼祥記者、
今、サポートを求めている人から通知が来ました。サポートをしに行くを選んで場所を確認します。


助けを求める人は服の特徴などを入力することで待ち合わせがしやすくなります。


助かります。うれしい。

別の人も、
声をかけづらくてもスマホで来てもらえたら長い階段もあるのでいいと思う。

一方でこんな意見も、
今すぐ階段を上りたいときにすぐ来てくれるのか。

ちょっと待ったとしても入れ違いにならないかとも思う。

松尾佳菜子さん
このサービスを企画した大日本印刷の松尾さん、ある意外な経緯で生まれたものだといいます。

会社の活動とは別に放課後活動という感じで異業種の企業の人とチームを組んでアイデアコンテストに出した。

新しいサービスを考える社外の活動に参加していた松尾さん。

その中で思いついたのが手助けしたい人をスマホで結びつけるサービス案でした。
この案はその斬新さや社会的意義からさまざまなビジネスコンテストで優勝。

大きな反響を呼びましたが、
社外活動は正式な組織がないので「自分たちでやるのは難しい」と。

「大日本印刷でこれができたらいい」と。

専務に伝えて社外での活動・アイデアを大企業に逆輸入した。

蟇田栄専務執行役員
その専務執行役員の蟇田氏。

松尾さんからアイデアを聞いた瞬間、「花火を打ち上げろ」と述べ即決したといいます。
彼女の情熱に押し切られた。

会社の支援でこのビジネスがもっと大きなムーブメントになれば。

将来的には今回のサービスをビジネス化したいという大日本印刷。
助けが必要となった場所の情報などをビッグデータとして活用できると考えています。

われわれの事業(印刷業)も非常に厳しくてデジタル化が進んで従来からの考え方を変えていかなくてはいけない。

まだシーズ(種)の状態かもしれないが支援していきたい。
