政府は6月7日にも骨太の方針を閣議決定する予定です。その中で柱の一つとして位置付けるのがDX(デジタルトランスフォーメーション)で、今後重点的に投資を行っていく方針です。DXの推進が日本にどのような成長をもたらすのか、残業時間の2割削減を実現させるなど企業の姿が変わろうとしています。
燃料高で苦境の「新電力」!DXで新事業を開始
東京・千代田区にある中央電力。マンションや企業向けに電力を販売する会社です。
燃料価格が高騰し、電力の調達コストが上がったことなどから業績が落ち込んでいます。
中央電力
丹治保積社長

去年3割ぐらい利益が落ち込んで、今年度も危ない状態、厳しい状況。
そこでいま進めているのがDX(デジタルトランスフォーメーション)です。
中央電力
南薫さん

建て替え精算書や領収書、これが1ヶ月分。
システムを利用することでデジタル化され書類がなくなった。
紙を使っていた社内の経費精算などをデジタル化。
さらに…
中央電力
丹治保積社長

営業情報の一元化、料金計算を含めた自社システムを開発した。
これまでは部署ごとに別々に管理していた顧客情報や顧客への対応記録、電気料金の計算や請求のデータを一元化するシステムを開発。
全ての社員が閲覧できる状態にすることで業務の効率化につながり、残業時間を2割削減できたといいます。
また開発したシステムをほかの新電力に販売する事業を開始。新たな柱に育てたいとしています。
中央電力
丹治保積社長

電気を売る側だったが、DX化で電力会社の裏を支える側になっている。
会社としては成長できる状態になっている。
12兆円の新たな事業収益も!?課題はDX人材の育成
DXによって企業の業務、効率化をサポートするのが全世界で15万社以上と取引するセールスフォースです。
例えばスマートフォンから入力した業務報告はすぐにデータとして反映されます。
こうして集まったデータを分析することによって現状の把握や新たなビジネス展開につなげることが可能だといいます。
セールスフォース・ジャパン マーケティング本部
松尾吏さん

どのようなデータが有れば次にお客様が望むものが分かるのか、どんなデータをセールスフォースで見ていけば次のビジネスにつながるのか。
従業員からもお客様からも集めて次の消費体験につなげていく。
セールスフォース・ジャパンはDXを活用することで同社のシステムを使う顧客などが5年間で12兆円を超える新たな事業収益を生み出すといいます。
そのために欠かせないのがDX関連の人材の育成だといいます。
セールスフォース・ジャパン
小出伸一会長兼社長

IT武装は投資することで補完できる。
問題はトランスフォーメーションをいかに加速していくか。
新しい仕組みを作ったり、今までの仕組みを変えたりとという、精通した人材をどれだけ育成できるか、今後のDXのチャレンジになってくる。