シリーズ「コロナクライシス トップの決断」。
このコロナ禍の巣篭もり生活で業績を伸ばしているのが出前館です。
まだまだ注文が増えそうな中、先を見据えてさらなる展開に踏み出していました。
株式会社出前館
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東京・巣鴨。
昔ながらの喫茶店「カフェ・ド・越後屋」。お昼時にも関わらずお客様は誰もいません。
カフェ・ド・越後屋の越後徳明さん、
コロナ感染拡大後、去年より売り上げが良い。
客足が激減したにもかかわらず意外にも売り上げは上がっているといいます。
その秘密が…
出前館です。
今年導入した出前館のデリバリー。
緊急事態宣言後、こちらのお店では多い時には売り上げの半分を占めるようになったという出前館からの注文。
すごく出前館からの注文が増えた。助かっている。
そんな出前館に付いた呼び名は「外食の救世主」。
去年に比べ利用者数はおよそ30%、店舗数は25%増えました。
なぜコロナ禍でここまで成長できたのか?
そこには苦境に立つ外食産業の新しい姿を描くトップの決断がありました。
全国で3万店を超える加盟店を抱える出前館。
チェーン店から町の名店まで国内最大級の出前代行サービスです。
店や配達の状況に応じた待ち時間も表示されニーズに合わせて注文できます。
出前館です。
実はこのラーメン、容器に工夫があります。
保温性が高い素材が使われ、配達中こぼれにくい構造になっています。出前館が容器メーカーと共同開発したものです。
出前館の中村利江会長、
日本の飲食店はどうしてもイートイン(店内飲食)がメイン。
これはグローバルでもかなり珍しい。
日本は「おもてなし精神」がある故にイートインにこだわって、テイクアウトやデリバリーは商品の品質が下がるという理由でお店が取り組んでこなかったが、このコロナで現実化した。
「配達だけではなく自分たちでキッチンを設けて作って届けるサービスもはじめた?」
インキュベーションキッチンと呼んでいて「キッチンに革命を起こす」という意味。
革命を起こすキッチン、それは出前館の配達拠点にありました。
出前館の帽子をかぶったスタッフが調理をしています。
ここはデリバリー専門のキッチン。
出前館の直営のスタッフが調理をやっている。
ここは飲食店に代わって出前館が調理を代行するキッチン。
出店できない飲食店がこのキッチンに仕込んだ料理を送り、それを出前館が最終調理して配達までしてくれます。
いってきます。
「キッチン事業に乗り出した理由は?」
飲食店の新しい生き残りの形を探りたいと思っている。
飲食店がなければ私たちはサービスができない。
私たちはどちらかというと飲食店のサポーター。
飲食店に代わってマーケテイングをして、飲食店に代わって配達代行をしていく。
そして今年、さらなる飛躍のために決断したのは…
ラインとの提携を発表した。
フードデリバリー業界はグローバルでも伸び盛り。
この中で戦うにはある程度、投資をしなければいけないのとシステム開発を徹底的にやらなければいけないというのを2年前から考えていた。
「スケールメリットが重要だと考えたからラインと提携?」
そうですね。
あとユーザーとの接点。日本のSNSで一番接点が多いのがライン。
これからラインはヤフーとの統合もある。
そこで大江キャスターがこんな質問を…
「競合であるウーバーイーツから手を組みませんかとか買収提案はあるか?」
うーん内緒です。
その後のWBSの取材で出前館とウーバーイーツは互いに買収提案をしあっていたことが分かりました。
出前館は現在は具体的な検討に入っていないとしていますが今後、ウーバーを含む競合他社と資本業務提携を結ぶ可能性はあり得るとしています。
「この先、日本経済がどういう回復を描くと考えるか?」
日本経済の回復に厳しい見通し。
そんな中で生き抜くために大切なことは?
「容器に一言書いてくれる。」
「この一言がうれしい。」
容器に書かれた「ありがとう」の文字。これが出前館がこだわるおもてなし。
日本ならではのサービスをグローバルに出したい。