ビジネス関連 ワールドビジネスサテライト

[WBS]政府内からも批判相次ぐ!防衛費財源 たばこ増税など検討

ワールドビジネスサテライト(WBS)

自民党と公明党は12月12日に中国の軍事動向などの表現で調整が続いていた国家安全保障戦略など、いわゆる安保3文書の改定内容で合意しました。

一方、今後大幅に増額する防衛費の財源については法人税やたばこ税などの増税が検討されていて、政府や自民党内からも批判が相次ぎ調整が難航しています。

安保3文書 自公で合意!
"中国"めぐる議論で決着

京都の清水寺。毎年恒例となっている今年の漢字が発表されました。選ばれたのは「戦」です。

清水寺
森清範貫主

「戦」が選ばれたのは、ロシアとウクライナの戦争が非常に強い印象を残したためだと思う。

一方、この人が選んだ今年の漢字は「進」。

岸田総理

歴史を画するようなさまざまな課題を一つ一つ進めていく。
こういった1年だったと思う。

こうした中、一歩進んだのが自民党と公明党によるある協議の内容です。

自民党
小野寺安保調査会長

今年の漢字は「戦」になったと報道が出ている。
「戦(いくさ)」ということだ。
それほど日本の国民の皆さんは安全保障に深い関心を持っている。

協議されたのは政府が16日にも閣議決定する外交安全保障政策の指針、国家安全保障など安保関連3文書の改定内容。

焦点となっていたのは中国の動向をめぐる表現。対中関係を注視する公明党は中国をめぐり"脅威"と表現することに難色を示していたのです。

最終的には8月に日本のEEZ(排他的経済水域)内に落下した弾道ミサイルの発射に絞って地域住民に脅威と受け止められたとすることで、日本政府が中国を脅威と位置づけているわけでないと解釈できる余地を残して決着しました。

合意を受けて今後それぞれの党内での手続きを進める考えです。

自民党
小野寺安保調査会長

3文書においてまとめた内容が、わが国の防衛力と抑止力につながる。

公明党
佐藤外交安保調査会長

自民党と議論をした価値は非常に高かったのでは。

自民党と公明党は協議の中で今後5年間の防衛費を現行の1.5倍以上となる43兆円にすることでも合意。

これを受けて政府は16日にも閣議決定する方針です。

防衛費でたばこも値上げ?
"増税ありき"に大臣も批判

一方、その財源をめぐり混乱も…

田中瞳キャスター

自民党税制調査会の幹部らが続々と入っていきます。
この後の幹部会議に出席します。
税制調査会長の宮沢会長の姿も見えました。

12月12日、自民党内では防衛費のための増税議論が本格的に始まりました。

田中瞳キャスター

週内の税制改正大綱の取りまとめに向けて詰めの議論が行われています。
非公式会合ということでここから先は入ることが出来ません。

増税が必要とされる年間1兆円の財源について現在、検討されているのが法人税で7,000億円~8,000億円、東日本大震災の復興財源である特別所得税で2,000億円、そして、たばこ税で2,000億円の増税です。

自民党の国会議員の3分の2近くが所属するたばこ議連のメンバーは…

たばこ議連加盟メンバー

「取りやすいとこから取ろう」という魂胆が見え見え。
法人税とたばこ税だけ狙い撃ちだ。

党内からは増税ありきの議論だとして反発の声が相次いでいます。

非公式の会合を終えた宮沢税調会長を直撃すると…

自民党
宮沢税調会長

きょうは非公式会合。

さらに増税反対の声は閣内からも…

自身のSNSで「総理から突然の増税発言」「このタイミングで発信された総理の真意が理解出来ません」と批判した高市経済安全保障担当大臣。

12月12日にその真意を問われると…

高市経済安全保障担当大臣

内容も分からないし、全体でかかる金額も分からない時に増税の対応をという話が急にあったので、そこは唐突だなという感じはした。
来年度の税制の話ではないので、この年末のタイミングで言ったことの真意が私自身も分からなかった。
現段階でもそう。

閣内での異例の発言に「覚悟を持って述べた」とした高市氏。12月12日に総理官邸で開かれた閣僚懇談会では岸田総理と隣合わせに座っていたということです。

週内にもとりまとめる来年度の税制改正大綱はまだ難航しそうです。

-ビジネス関連, ワールドビジネスサテライト
-