これまで4つの市場で構成されていた東京証券取引所ですが、4月4日から新たに再編したプライム、スタンダード、グロースという3つの市場で取引を開始しました。およそ60年ぶりとなる大規模な市場区分の再編です。世界からマネーを呼び込み日本経済の成長につなげることができるのでしょうか。
東証プライム始動!
一体何が変わる?
4月4日の取引開始前。
日本取引所グループ
清田瞭CEO
いよいよ新市場区分が始動する。
3つの新たな市場区分、プライム、スタンダード、グロース市場に生まれ変わる。
午前9時。
新たな市場区分での取引が始まった東京証券取引所。今回グローバル企業向けのプライム市場、中堅企業向けのスタンダード市場、新興企業向けのグローバル市場の3市場に再編しました。
プライム市場は流通株式の時価総額が100億円以上、流通株式比率が35%以上といった基準に加え、厳格な企業統治体制の構築や投資家などへの情報発信の強化を求めています。
日本の代表的な企業を厳選して最上位のプライム市場に上場させることで世界からの投資を呼び込むことが期待されている今回の市場再編。しかし、プライム市場にはこれまでの東証1部の84%にあたる1,839社が移行。このうち295社は上場基準を満たしていないものの経過措置を活用してプライム市場に移行しています。その結果、以前とあまり変わらない顔ぶれに。
上場企業に意識の変化?
上場基準の達成に向け、企業側でも事業戦略を見直す動きが始まっています。
その1社が中高層マンションの建築を得意とする大末建設です。
大末建設
吉田丈二工事長
当社が手がけている賃貸マンション。14階建てです。
4月4日に東証1部からプライム市場へ移行しましたが上場維持基準を満たしていません。
流通している株式の数に株価をかけた流通株式時価総額が64億8,000万円で基準の100億円に届きませんでした。
なぜプライム市場にこだわるのでしょうか。
大末建設
村尾和則社長
例えば営業活動や採用活動とかさまざまな事業活動で得られるものが大きい。
特に重要視したのが採用活動への影響です。
大末建設
村尾和則社長
私自身も当社が一部上場ということでこの会社に入ったので。
学生や当社に入社を希望する人はそういう人もかなりいる。
流通時価総額100億円の達成に向け株価を1,500円以上に引き上げるのが目標です。
そのためこれまでほとんど手がけてこなかった高さ60メートルを超す超高層マンションや大型の物流倉庫の分野に参入します。
2021年3月期に564億円だった売上高を4年間で800億円まで伸ばす計画です。
こうした成長戦略を示すことで株主や投資家からの支持を得ようとする動きが今回の市場再編によって広がりをみせています。
大末建設
村尾和則社長
今まで守りの体制の会社だったが成長する会社へ改革していこうという時に市場の再編がやってきた。本当にいい動機付けになっている。