国民病ともいえる高血圧症。国内の患者は国民の3人に1人となるおよそ4,300万人と推定されています。そしてその年間の医療費はおよそ1兆7,000億円に上るといわれています。こうした中、9月1日に高血圧の治療をスマホのアプリで済ませる世界初のサービスが始まりました。保険の適用も受けているというこのアプリを使ったサービスの実力に迫ります。
世界初 高血圧治療補助アプリ!患者4,300万人 保険も適用
キュアアップ
社長兼医師
佐竹晃太さん

高血圧症治療補助アプリという新しい医療機器に関して。
全国の医療機関でサービスの販売を開始。
医療用アプリ開発のベンチャー企業「キュアアップ」。9月1日に販売を開始したのは「キュアアップHT」という高血圧症治療補助アプリです。
高血圧症の患者に食事や運動、減量などの方法を動画などで助言し、生活習慣の改善を目指します。
血圧に加え、食事や運動などのデータも蓄積されていきます。
このアプリの導入を決めたクリニック「野村医院」を訪ねると…
野村医院
野村和至理事長

1ヵ月半に1回、2ヵ月に1回の診療。
そこで生活習慣全て確認することが可能かというとなかなか難しい。
毎日スマホでチェックできる。自分で数値を見て、自分で気づきが生まれる。
そういったアプリというのは理にかなっている。
高血圧の症状は患者の生活習慣と密接に関わっていて、それを限られた診療時間で把握するのが困難でした。
こうした課題に対し、アプリでは毎日の患者の情報を医師と共有できる利点があるといいます。
このアプリは医療保険の適用を受け、毎月の医療費は2,490円です。医師による指導は月1度を目安に行われ、6ヵ月という期限付きプログラムです。
74歳

デジタル機器に抵抗感がない方にはすごくいいんじゃないでしょうか。
92歳

私は医師と直接話す方がいい。
質問したいことが聞けるし、直接じゃないと嫌だ。
70歳以上の高齢者が多い高血圧症。野村医師は最初のフォローアップが大事だといいます。
野村医院
野村和至理事長

やはり70歳をこえると一気にICT(情報通信技術)への抵抗があるのは事実。
こちらでアプリを導入してあげる。
インストールまでやってあげると割とやってくれるケースが多い。
臨床試験ではアプリを利用した患者たちは利用しなかった患者たちに比べて脳や心臓の血管の発症リスクに換算しておよそ11%の低減効果があったということです。
薬や医療機器に次ぐ第3の治療手段として注目される治療用アプリ。今後の可能性は…
キュアアップ
社長兼医師
佐竹晃太さん

薬を飲み続けなければいけないという、いまの医薬品の患者にしたら苦痛に感じる部分や薬では治しきれない精神的な部分を治療できるのが今までの医療になかった新しい治療の価値になると考えている。