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[WBS]オミクロン株で"緩和"も!政府 週内にも新たな対策案

2022年2月2日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

2月2日、国内で新たに確認された新型コロナの感染者は初めて9万人を超えました。

感染の急拡大を引き起こしているオミクロン株は感染力が強い一方で若者や基礎疾患がない人には重症化するリスクが低いとされています。

政府は今週中にもこうしたオミクロン株の特性を考慮した新たな対策案をまとめる方向です。

過去最多9万人超が感染!オミクロン株念頭に新対策

2月2日に開かれた厚生労働省の専門家組織の会合。

感染者が急増する中でも医療体制を維持するため専門家は2月2日に新たな指針を提言しました。キーワードは「健康観察の省力化」です。

6歳~49歳で妊娠や肥満、基礎疾患がないなど重症化リスクが低い人については感染した場合も自宅での療養を推奨します。そして現在は保健所が感染者全員に行っている健康観察や入院の勧告などを省略し、保健所の負担軽減につなげるべきだとしています。

こうした対応を求める背景にはオミクロン株ならではの特性があります。オミクロン株は感染力が強いため家庭や学校などで一気に感染が拡大する一方で、潜伏期間が短いことや基礎疾患がない若い人が重症化することが少ないなど従来広がっていたデルタ株とは大きく異なっています。

提言をまとめた専門家の一人、阿南英明医師もこう説明していました。

オミクロン株の特性、これは今までのコロナとは別物として扱うべき。

デルタ株などに比べると入院する率、肺炎になる、重症化する率は非常に低い

今対峙している第6波はオミクロン第1波だ。

オミクロンと闘うには今までと違う相手だから、私たちの対応は今までと同じではなく、オミクロン用の対応をしなくてはならない。

専門家の提言を受け、政府はオミクロン株の特性を踏まえた新たな対応策を2月4日にも取りまとめる方向で調整しています。

後藤厚労大臣。

オミクロン株は感染力が強く重症化しにくい。

特に若い人はあまり重症化しないことが多い中で大変感染が拡大して保健所や医療機関が非常にひっ迫する状況になってきている。

非常に厳しくなっている事態を受け止めて実態に合った対応を考えていきたい。

EU初 コロナ規制を全撤廃!「社会を脅かす病気ではない」

オミクロン株の特性に合わせた対応は一部の国で先行して始まっています。

今から歩いていくところが広場。

世界遺産「ロスキレ大聖堂」があるデンマーク。

デンマークに10年以上住んでいる針貝有佳さん。

スーパーの中に入ると会計中の店員とお客さんはお互いマスクをしていません。

さらに屋内型のショッピングモールですれ違う人たちもマスクを付けずに歩いています。

きょうから規制がすべて解除された。飲食店も人が入ってマスクはしていない。

実はデンマークは1日からEUで初めてコロナ対策の規制をほぼすべて解除。

屋内施設や公共交通機関などでのマスクの着用やワクチンパスポートの提示義務、夜間のアルコール提供の禁止といった規制がなくなりました。

デンマークのメッテ・フレデリクセン首相。

規制に「さよなら」を言い、コロナ前の生活を迎え入れましょう。

フレデリクセン首相はオミクロン株の特性を念頭に「コロナがもはや社会を脅かす病気とみなされるべきではないと判断した」と強調しました。

ただ、デンマークでは今も1日4万人ほど感染。

100万人あたりの感染者は日本の12倍で世界最悪レベルです。

それでも規制撤廃に動いた最大の理由はワクチンの接種率の高さです。

デンマークでは3回目の接種を済ませた人が60%以上と日本の4%を大きく上回ります。

国民は…

とても良く、うれしい。自由になった気持ちだ。

最高の日でとてもうれしい。

ただ、慎重な声も…

きっとまた規制が戻ると思う。

開放感にあふれているわけではない。

感染者の記録更新中のときになぜ今という感じ。

オミクロンで規制緩和 日本は?WHO「勝利宣言は時期尚早」

オミクロン株の特性を踏まえた規制の緩和はイギリスやフランスなどでも進められています。

日本でも今後、規制を緩和する方向に進むのでしょうか。

政府のコロナ対策分科会メンバーの小林慶一郎氏は…

ブースター(3回目)は遅れているし、検査もひっ迫している。

日本で同じように規制を緩和したら医療が非常にひっ迫する可能性がある。

そもそもデンマークやイギリスが成功しているといえるかどうか。

オミクロン株を乗り越えたと言えないので。

日本ですぐに同じようにやろうとならない。

またWHO(世界保健機関)のテドロス事務局長も1日、規制緩和の動きに警鐘を鳴らしました。

ワクチンとオミクロン株の高い感染性、低い重症度のために感染防止は不可能で必要ないとの説が一部の国で定着していることを懸念している。

どの国も降伏するのも、勝利宣言するのも時期尚早だ。

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