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[WBS]新型コロナ感染者が過去最多!医療現場ひっ迫 解消へ新手法

ワールドビジネスサテライト(WBS)

8月3日の全国の新型コロナウイルスの新規感染者は24万を超えて過去最多を更新しました。発熱外来に患者が続々と詰めかける中で自治体や企業が医療現場のひっ迫を少しでも解消しようといま新たな取り組みを始めています。

38.5度未満は受診できず…ひっ迫発熱外来の実態

猛暑の埼玉県春日部市。クリニック「あゆみクリニック」に詰めかけていたのは…

スタッフ

予約いただいていますか、保険証お預かりしていいですか。

発熱外来の診察を求める患者たちです。

このクリニックでは発熱外来の予約枠がすぐにいっぱいに。予約を取れなかった患者などが朝から殺到していました。

しかし…

スタッフ

37.3度だと受けられない。38.5度以上ないと受けられない。

患者の数があまりにも多いため予約をしていない場合は38.5度以上の熱がある人や基礎疾患を持っている人に限っているのです。

基準に満たない患者は帰ってもらうしかありません。

連日70人ほどの発熱患者を診察するこのクリニック。こうしたギリギリの状況が7月上旬から続いているといいます。

あゆみクリニック
藤川万規子院長

50~100人くらい毎日断っている状態。朝から晩までお手上げ状態です。

さらにクリニックの負担となっているのが保健所への陽性者の報告業務です。検査で陽性が判明した場合、発生届に患者の情報を記入、それを1枚1枚保健所にFAXしなければなりません。

こうした対応の影響で検査への悪影響も。

あゆみクリニック
藤川万規子院長

一人一人に聞き取りしないといけない。
1枚聞くのに5分10分かかるので、その分検査の回転が遅くなる。
保健所への届けはいらないとか徐々に変わっていかないとこのままだと医療機関がパンク状態のままになってしまう。

東京都 医療機関の負担減へ!20代向け新制度スタート

こうした医療現場のひっ迫、一因となっているのが感染症法で義務付けられている陽性患者の全数把握です。

日本医師会は政府に対して全数把握の見直しを改めて求めました。

日本医師会
松本吉郎会長

現場の負担は飽和状態。
全数把握については現場の負担軽減に資するよう入力項目の簡素化など政府には検討を求めている。

これに対し政府は…

松野官房長官

専門家の皆さんの意見も聞きながら時期を逸することなく適時適切に具体的な検討を進めてまいりたい。

こうした中、東京都が8月3日に開設したのが陽性者登録センターです。早速、スタッフへの説明会が開かれました。

担当者

年齢は20歳~29歳。
入力者の同意をどんどんとっていく。

陽性者登録センターは20代を対象に全てオンラインでサポートする仕組み。

従来は発熱などの症状がある患者は医療機関などで検査、医療機関は患者へ結果の通知と保健所への報告が必要でした。

今回は20代で重症化リスクの低い人は東京都が配布する検査キットなどを使って自宅で検査。もし陽性なら陽性者登録センターに自らオンラインで申請します。保健所へはセンターから直接陽性者の情報が報告されるため医療現場の負担を軽減できるというわけです。

東京都の陽性者登録センターは午前9時から午後5時まで。医師や看護師など60人体制で対応。1日当たり3,000人を上限に受け付けます。

東京都
保健所連携支援担当課

処理ができるかどうかの約束が難しいので3,000件に達した時点でその日の受付はいったん停止する。
対象年齢とともに処理できる件数も業務の効率化や人員強化を図っていきたい。

患者と医療機関をつなぐ"AI症状検索"とは

医療現場の負担を減らす取り組みは企業でも。

医師が代表を務めるユビー。AIを使った無料の症状検索サービスを提供しています。

発熱があるなどコロナ感染が心配な人などがオンラインで体調や症状に関する質問に答えると発熱外来を受け入れている最寄りの医療機関を紹介してもらえます。

提携の医療機関での診察を希望する場合にはスマホで事前に記入した問診データがそのまま伝わる仕組みです。

ユビー
阿部吉倫共同代表

今まさにひっ迫している発熱外来において患者を安心安全に発熱外来につなげるサービス。

特に「発熱」というキーワードでの検索件数は5月末と7月末の2ヵ月間で4倍に伸びていて、利用者数も100万人増えているといます。

ユビーのサービスは医療機関にとっても問診にかける時間が大幅に削減できるメリットが。

東日本橋内科クリニック
白石達也院長

事前にかなり詳細に聞いてくれているから手間は大きく削減されている。
患者も時間をかけずに帰ることができるし安心して診療ができる。

注目の旅行キャンセル保険!感染拡大&夏休みで契約7倍

感染者の急激な増加が続く中、今ある保険商品に注目が。

コールセンター

他社で保険に入っていても「コロナあんしん旅行保険」入ること可能です。

損保ジャパンの小会社「マイシュアランス」が販売するコロナあんしん旅行保険です。

新型コロナに感染するなどして夏休みの旅行を取り止める場合、条件に応じてキャンセル料が戻ってくる保険です。

例えば出発日に体調を崩して通院した場合はキャンセル料の100%、濃厚接触者になった場合は30%の補償を受けられます。

マイシュアランス
村上弘記さん

3年ぶりの行動制限がない旅行。高額な旅行で不安を感じている家族が保険に入って、なんとか今年は旅行に行こうとしている。

保険料は条件により異なりますが例えば2人で1泊2日、5万円の旅行をする場合、保険料は1,880円。

感染拡大と夏休みの旅行シーズンが重なったことで契約件数は7月の4週間でおよそ7倍に急増しているそうです。

マイシュアランス
村上弘記さん

保険金を受け取ってもらい旅行をやめる。こんな動きもしっかり支援できれば。

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