社会経済生活の本格的な回復を目指し、政府の新型コロナ対策を話し合う分科会は緊急事態宣言などを出す基準について新たな指標をまとめました。
新規の感染者数よりも医療のひっ迫度合いに重点を置きます。ワクチン接種が進む中、海外で広がるある程度の感染を受け入れるウィズコロナの模索が日本でも本格化します。
新型コロナウイルス感染症対策分科会
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山際経済再生担当大臣。
日常生活や経済社会活動を継続できるよう、ワクチン検査パッケージの技術実証を進めている。
その結果なども踏まえて行動制限の緩和を進めていきたい。
感染状況の評価に新たな指標を用いることを決めた政府の新型コロナ対策の分科会。
新たな基準では医療のひっ迫度別に5段階に分類。
最も深刻なレベル4は一般医療を大きく制限してもコロナに対応できない"避けるべきレベル"と定義。この夏の東京はこのレベルに相当したといいます。
一方、現在の東京などはレベル1。このレベルまでを維持すべきとしてワクチン接種やマスク着用などの基本的対策を進めます。
緊急事態宣言など強い対策を取るのはレベル3。レベル2からレベル3に引き上げる判断には2~3週間後の医療状況の予測も活用します。無症状や軽症の感染者が多い分にはレベル3にならない形です。
ワクチンの接種が進み重症化する人や死亡する人が減る中、社会経済生活を制限しない方向へ大きく転換します。
新型コロナ対策分科会の尾身茂会長。
医療ひっ迫が起こらないよう感染を抑え、社会経済活動を回していくことが目標。
今月からコロナをめぐる行動制限を大幅に解除し、ウィズコロナの生活に舵を切った韓国。
これまで午後10時までとしてきた飲食店の営業時間は無制限になったほか、ソウル市内では私的な集まりも最大10人まで可能となり、街は多くの人で賑わっています。
その背景にあるのは日本とほぼ同水準となる高いワクチンの接種率です。
みんながワクチンを接種済みなので心配になる部分はない。
「ウィズコロナ」の生活に慣れた感じがする。
ただここにきて懸念されるのが新規感染者の急増です。この2週間でおよそ6割増えているのです。
そんな中、お客さまが戻ってきた飲食店からは…
飲食店の店長。
感染者が増えても「ウィズコロナ」でやっていくべき。
また営業が制限されたら今までの犠牲の意味がなくなってしまう。
韓国政府は十分な医療体制が確保されていることなどから現状ではウィズコロナの方針を継続するもようです。
そして今年5月に大幅な制限緩和に踏み切り、ウィズコロナの生活を続けているのはドイツです。
ロンドン支局のエリザベス・パーシュ記者。
感染が再拡大しているが通りはいつものように混雑している。
先週の金曜日、1日の感染者数が過去最多となったドイツ。それでも行動制限はほぼ解除されたままです。
感染者数に影響はないからロックダウンはやめてほしい。
ウィズコロナ生活を後押ししてきたのがワクチン接種。追加のブースター接種も始まっています。
しかし今、ある問題に直面しています。
政府はワクチンを強制化したいだろうがそれはだめ、法律的にもできない。
ドイツではおよそ3割の人がいまだに1回もワクチンを接種しておらず、接種率が頭打ちとなっています。それが感染再拡大の原因ともいわれているのです。
遠くで暮らす家族が集まるクリスマス、感染拡大を抑え、ウィズコロナで迎えられるのでしょうか。