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[WBS]TPP"超える"枠組み?米商務長官を単独取材[レモンド商務長官]

2021年11月15日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

11月16日に開かれる米中首脳会談を前にバイデン政権の経済政策のキーパーソンが来日しました。その人物がレモンド商務長官です。

レモンド氏は11月15日、WBSの単独インタビューに応じ、TPP(環太平洋経済連携協定)に代わる新たな経済の枠組みを目指していることを明らかにしました。

レモンド商務長官

11月15日、経済産省にやって来たのはアメリカ商務省のレモンド長官。

米中関係は極めて重要なため、アジア歴訪の最初を日本にした。

アメリカの商務省は中国の通信機器大手「ファーウェイ」などへのハイテク規制や鉄鋼やアルミに課す追加関税など貿易管理で大きな権限を持つ組織です。

バイデン政権でそのトップに就いたのがレモンド氏。名門ハーバード大学などを卒業、東部ロードアイランド州で初の女性知事を務めました。ベンチャーキャピタルを創業した元投資家という異色の経歴を持ちます。

この会談の最大の議題はアメリカが日本からの鉄鋼とアルミにかけている追加関税の見直しです。

追加関税といえば…

トランプ大統領(当時)。

輸入する鉄鋼とアルミに関税をかけ、アメリカの国家安全保障を守る。

3年半前、当時のトランプ政権はアメリカの産業を保護するため外国からの鉄鋼とアルミに対して追加関税を決定。

鉄鋼に25%、アルミには10%の関税を上乗せしたのです。

しかし、バイデン政権になり方針が一変。

ヨーロッパ委員会のフォンデアライエン委員長。

バイデン大統領と鉄鋼・アルミの追加関税を一部免除することで合意した。

先月末、アメリカはEU(ヨーロッパ連合)に課していた追加関税の一部を免除することを決定。

そして11月15日、日本とも追加関税の見直しに向け競技を始めることで合意したのです。

同盟国と経済関係の修復を急ぐアメリカ。そこにはどんな狙いが…

「今回の訪日の目的は?」

日米にはともに重要で共通の利益になる課題がいくつもあり、協力しないといけない。

サプライチェーンや半導体の問題、クリーンエネルギーや気候変動への対応だ。

民主的価値に合致し、プライバシーを守るデジタルエコノミーの構築も重要だ。

日米を土台にこれらの強力をインド太平洋地域全体に広げたい。

アメリカはインド太平洋地域でより重要な役割を果たしていく。

日米両政府は11月15日に経済面での新たなパートナーシップ「日米商務・産業パートナーシップ」の設立で合意。

半導体などのサプライチェーン構築や先端技術開発の協力強化、気候変動などで連携します。

意識の先にあるのはやはりあの国です…

問題は中国による鉄鋼の過剰生産だ。これは世界のマーケットをゆがめている。

アメリカの労働者だけでなく、日本の産業にも打撃を与えている。

日本とともにこの中国の問題に取り組み、両国の産業を守りたい。

同盟国の結束を固め、対中包囲網を築こうとするアメリカ。その先に見据えるのは…

「アメリカがTPPに復帰するのは一つの重要な選択肢だと思うが?」

バイデン大統領はTPPに現時点では参加しないと言っている。

私たちは従来の自由貿易協定に比べ強く中身がある経済枠組みをつくりたい。

サプライチェーンの問題など現在の課題に対応するためだ。

インド太平洋地域で新たな経済枠組みを設置することを楽しみにしている。

TPPを超える新たな経済の枠組みを目指すと明言しました。

そして最後に…

Amerisa is Back.(アメリカは戻ってきた)

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