新元号の発表やサッカーのワールドカップなど世間で大きな注目を集めるイベントとの際に企業が瞬時にそれに合わせた新商品や広告を打ち出す戦略のことを「リアルタイムマーケティング」といいます。
新元号の発表からわずか1時間あまりというスピードで号外商品を届けた日本コカ・コーラ。
そして、まんじゅう店の時間との戦いに密着しました。

日本コカ・コーラ株式会社
[blogcard url="https://www.cocacola.co.jp/"]
号外を求める大勢の人で埋め尽くされた新橋駅前。

その裏…
須黒清華記者、
1時6分に初回の配布分開始されました。

配っていたのは新元号の「令和」がデザインされた「号外コカ・コーラ」。

発表からおよそ1時間半。
なぜこんなにも早く新元号の商品ができたのでしょうか?
新しい元号は令和であります。


日本コカ・コーラのマーケティング担当、塩田悠二さん。

1本の電話を掛けていました。
発表されました、令和です。製作よろしくお願いします。

発表後即座に2,000本分のラベルを発注しました。

これはリアルタイムマーケティングと呼ばれる手法。
リアルタイムマーケティング
世間の関心事などを取り入れた商品をすぐさま世に出すことでブランドの認知度や好感度の向上を図るというものです。


株式会社大藤
[blogcard url="http://www.omiyage-daito.com/"]
こうしたリアルタイムマーケティングで商品を売り出す企業がここにも…
大藤の大久保智文社長、
こちらの令和の文字で印刷にかかる。

老舗和菓子店の大藤です。

箱に令和の文字が印されたまんじゅうを夕方までに売り出そうとうのです。

男性が猛烈な勢いで走ってきました。

やって来たのはおよそ2時間前に発注したパッケージ。

ここからは総力戦です。
120箱を今日中に店に並べるため従業員だけでなく社長も加わって梱包。

そして、運ばれた先は国会の売店。
益田健二郎記者、
いま新元号が書かれたまんじゅうが到着しました。

まんじゅうがどんどん店頭に並べられています。

すぐさま買い求めるお客様が、
発売がすごく早い。早くできるのは今の時代なのかなと。

店頭に並んでからおよそ30分で1回目の入荷分が完売しました。

株式会社タカラトミー
[blogcard url="https://www.takaratomy.co.jp/"]
ほかにも各社は競って新元号をつけた商品を展開。
渋谷の109ではタカラトミーが令和版の人生ゲームを100人に無料配布しました。

森永製菓株式会社
[blogcard url="https://www.morinaga.co.jp/"]
さらに森永製菓も無料で新元号が入った限定パッケージの「ハイチュウ」1,000個を渋谷駅前で配布。

号外コカ・コーラ
先程のコカ・コーラ、用意した2,000本を1時間ほどで配り終えました。


「配布は知っていた?」
ボトルを受け取った人は、
知らなかったです。

記念にする。うれしいです。とっておきます。

新聞の号外をもらいに新橋に来たがもらえなかった。

新元号のボトルで全然良いです。

新元号発表の瞬間が一番楽しむ瞬間だと思う。

リアルタイムマーケティングという形でできるだけ早く届けたいと思った。

コカ・コーラがこうした取り組みを始めたのは2014年のサッカーワールドカップから。

日本代表選手の名前が入ったボトルでゴールシーンを再現し、SNSでいち早く発信しました。

コカ・コーラはこの手法に確実な手応えを感じているといいます。
すごく楽しいニュースの時にはシェアしたい、共有したいという思いが強くなるので効果はあるのかなと思う。

プリントネット株式会社
[blogcard url="https://odahara.jp/"]
一方、改元特需に複雑な思いを抱いているのが印刷業界です。

今年は改元にちなんだパンフレットやチラシ需要のほか、統一地方選挙や参議院選、4月から5月の10連休もあり印刷の依頼が増えることが見込まれていました。

需要の高まりに期待していたプリントネットは今年、数億円かけて印刷機を購入。
しかし…
プリントネットの小田原洋一社長、
こういった紙が例年の4割入ってこない。

ある程度こしがあって強い紙。

24時間稼働しているはずの機械も停止した状態です。
1日24時間360日稼働の工場なので止まったら駄目。

紙不足で止めざるを得ない。

去年、西日本豪雨や北海道地震など災害が相次ぎ、製紙工場が一時休止した影響などで国産の紙が不足。

実際、改元に伴う注文は多いのですが、それに応じるだけの紙がないため受注制限しなければならない状況だといいます。

紙の倉庫です。

通常ぎっしり紙が詰まっているが、隙間だらけ。

印刷用の紙を置く倉庫はスカスカな状態。
仕事する体制づくりは万全でも肝心な紙が入ってこないため小田原社長は苛立ちを隠せません。
今年は印刷の潤う年だと思って設備投資もしたし、人もそろえた。

でも紙がなければどうしようもない。

元号が発表され、めでたい日なんですが、こういう報告をするのは残念。
