日本各地に大きな被害をもたらした台風19号を政府は10月29日の閣議で激甚災害に指定することを決定しました。これにより国から地方自治体への補助金が引き上げられることになります。さらに政府は台風21号とそれに伴う記録的な豪雨に関しても災害指定を目指す方針を明らかにしています。
そうした中、いま被災地では新たな支援の形が広がっています。
一般社団法人野菜がつくる未来のカタチ
一連の記録的な大雨で大きな被害を受けた千葉県。
河川の氾濫など被害が深刻な茂原市では10月29日も朝から冷たい雨が降り復旧活動の大きな妨げとなっていました。
ごみの回収に来るというので待っているがなかなか来ない。
消毒作業が雨できょうは中止になった。
千葉県内ではこれまで床上、床下を合わせて住宅1,943戸の浸水が確認されています。
さらに10月29日に新たな遺体が見つかるなど大雨による犠牲者は11人となりました。
また農業にも大きな被害が…
農林水産省によれば全国の被害額は台風15号と19号だけで1,700億円を超え、今後さらに増える見通しとなっています。
そんな中、新たなプロジェクトが始まっていました。
台風で被災し、廃棄されてしまう運命にある野菜を救おうというものです。
千葉県佐倉市でゲストハウスを経営する鳥海考範さん。
これがきのう入ったトウガン。
こういう形で傷が入っていると出荷できないので引き取って販売している。
味は問題ない。
傷だけ削って外せば普通に食べられる野菜。
鳥海さんは先月の台風15号の直後から出荷できなっくなった野菜を農家から引き取り販売する「チバベジ」という活動を始めました。
引き取った野菜は自身のゲストハウスで販売。その売り上げを農家に還元するという仕組みです。
「当初、農家の反応は?」
「本当にこういうものが価値に変わるのか」「食べてもらえるのか」みたいな半信半疑な部分が多かった。
さらに被災した野菜を美味しく食べてもらう仕組みも考えました。
訪れたのは佐倉市内のレストラン「イタリアンレストラン ズッカ」。
イタリアンレストラン ズッカの宮澤誠さん、
ダメージがあるが加工品にするには大丈夫。
持ち込まれた大根の傷んだ部分を取り除き、小さく切り分け、お酢やニンニクの入ったエキスに漬け込むと…
ピクルスが出来上がりました。
ほかにも傷んだトマトはトマトソースにしています。
現在、千葉の30以上の飲食店を協力し被災した野菜を加工し商品化。
これまで農家から預かった野菜、およそ4,500キロ分が売れたといいます。
災害支援で始めた活動だが廃棄野菜は常日頃からあった問題。
持続的に活動できればいい。