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[WBS]"ゼロコロナ"直撃!中国0.4%成長に失速「消費・労働」に異変

2022年7月16日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

中国の今年4-6月までの実質GDP(国内総生産)は1年前と比べて0.4%増加にとどまりプラス4.8%だった前の3ヵ月から大きく成長が鈍化しました。中国の景気減速が鮮明となる中で消費や労働の現場では大きな異変が起きていました。

中国成長率 わずか0.4%プラス!消費に異変 政府の打開策

上海市内にある大型ショッピングモール「龍之夢購物公園」。平日の夕方、店内はお客さんで賑わっているものの…

上海支局
菅野陽平記者

こちらは子供服のフロアですがリーバイス、コンバース、ナイキ、全て閉店しています。

ロックダウン解除後も店内飲食の制限が続いたため閉店となった飲食店も目立ちます。さらに別のモール「国華広場」では…

上海支局
菅野陽平記者

こちらは中国で初めてショッピングモールの中につくられたイケアですが7月6日で閉店しました。
今は入り口が封鎖されています。

イケアは閉店について新型コロナによる不安要素を対応するためと発表しています。

ロックダウンの影響が色濃く残る中国。7月15日に発表された今年上半期の小売売上高は1年前と比べてマイナス0.7%。4-6月期の実質GDPもプラス0.4%と前の3ヵ月から大きく減速しました。

しかし中には売上を伸ばす業種も。上海のフォルクスワーゲンのディーラー「協通衆盛フォルクスワーゲン販売店」。週末に訪れてみると多くのお客さんで賑わっています。その理由は…

お客さん

区政府の補助金がある。

政府による補助金です。どのくらい安くなるのか聞いてみると…

協通衆盛フォルクスワーゲン販売店
銭雲龍さん

20万元(約410万円)のモデルなら上海市から1万元、嘉定区から2万元。
合計3万元(約61万円)の補助金が出る。

日本円でおよそ410万円のEVが補助金を活用することで350万円程度で買えるといいます。ロックダウンからの落ち込みから回復すべく政府は補助金をはじめとしたさまざまな購入支援を実施。6月の自動車販売台数はおよそ250万台と去年よりおよそ2割増えています。

協通衆盛フォルクスワーゲン販売店
銭雲龍さん

4月と5月は大きく販売が出遅れたが今の勢いが続けば年間目標が達成できる。

中国「5.5%前後」成長に高い壁!リスクは"ゼロコロナ"維持?

佐々木明子キャスター

北京の杉原記者に聞きます。中国政府は自動車の補助金などで経済の活性化を図っているようですが、うまく回復軌道に乗せられるのでしょうか?

北京支局
杉原啓佑記者

中国政府は急激な景気悪化を食い止めようと自動車への補助金のほか、大規模なインフラ投資や減税を進めるなど景気対策を矢継ぎ早に打ち出していますが順調に回復できるかは不透明です。

中国政府は今年の成長率目標として5.5%前後を掲げています。上海のロックダウン解除後の6月から景気は持ち直しを見せていますが目標達成は厳しいとの見方が広がっています。その大きな理由は習近平指導部が引き続き堅持するとしているゼロコロナ政策です。北京では4日連続感染者ゼロが続いていますが、再び感染者が増加すればロックダウンなどの厳しい行動制限が復活するリスクがあります。実際に地方都市では今も1日あたり数十人の新規感染者が確認されたことで不要不急の外出が制限されているところがあります。

またゼロコロナ政策は雇用情勢も悪化させています。北京では仕事を探す人たちが街にあふれ不安を募らせている場所があります。

中国 日雇い労働 若者急増で…!仕事失う51歳「社会の底辺だ」

朝5時すぎ。街に突然大勢の人だかりが…

北京支局
杉原啓佑記者

朝5時です。街の一画には大勢の労働者が仕事を求めて集まってきています。

仲介業者

10時間働いて日給300元(約6,000円)だよ。

交差点の真ん中で行われていたのは日雇い労働のあっせんです。仕事を仲介する業者の周りには労働者たちが我先にと群がっています。

労働者

俺だ俺だ、俺を雇え。

仲介業者

4人だ、4人欲しい。

労働者

俺たち2人じゃだめか?

仲介業者

若いやつを探しているんだ。
そろった!もう十分だ。お前たち悪いな!またあした。

仕事を見つけた労働者たちは車に乗せられ建設現場などに向かいます。ただゼロコロナ政策の煽りで景気減速が続き雇用情勢が悪化しているのです。

仲介業者

この仕事も2~3人しか募集していない。仕事の募集人数が減っている。
以前は月に1万元(約20万円)の仕事もあったが今はもうない。

午前9時すぎ、街には仕事にありつけなかった労働者たちがうなだれるようにして道路に座り込んでいます。

山東省から出稼ぎに来ている徐さん(51歳)。建設現場や交通整備など日によって仕事はバラバラですが最近ある変化があったといいます。

徐さん(51歳)

コロナの影響がないわけがない。街には職を探す若者が特に増えた。

実は中国ではいま若者の失業率が2割近くに上り、6月の失業率は過去最悪でした。ゼロコロナ政策により飲食店などのサービス業が人員削減や閉店に追い込まれたことから若者の働く場所が減っているのです。その結果、日雇い労働の現場で若者が急増。

50代の徐さんは仕事にありつけない日が増えたといいます。生活費を切り詰めながらギリギリの生活を送っています。

徐さん(51歳)

以前は月に7,300元(約15万円)稼げたが今は3,000元(約6万円)だ。
風呂は年に1回しか入らない。
仕事先で不要になったものや食料は持って帰るようにしている。

徐さんが住む4畳ほどの部屋の家賃は月額7,000円ほどでトイレも風呂もありません。食事はできる限り自炊し出費を抑え、稼いだお金のほとんどを実家の妻と娘に仕送りしています。

徐さん(51歳)

田舎に戻るつもりはない。今はただ毎日働くしかない。
自分は社会の底辺だ。先のことは深く考えないようにしている。
せめてコロナが早く収束してほしい。

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