
中国は6月9日に5月の貿易統計を発表しました。輸出は1年前に比べて16.9%のプラスと4月の3.9%のプラスから大きく回復しました。ただ経済の中心、上海では依然としてロックダウンの影響が続いています。輸入と輸出、両方の現場を取材しました。
上海ロックダウン影響続く!"中国離れ"「今月受注ゼロ」
上海市内のショッピングモール。ロックダウンが解除された先週から営業を再開し、徐々に客足が戻り始めています。
こちらは生活雑貨を扱うロフト「徐家匯ロフト」。
お客さん

自由になったからうれしい。2ヵ月ぶりに普段使いのものを買いに来た。
およそ8割の商品が日本と同じ品ぞろえでメイド・イン・ジャパン、日本の製品を売りにしています。
しかし…
上海支局
菅野陽平記者

こちらは消しゴムの量り売りのコーナーですが色とりどりの商品が並んでいます。
こちらは全てメイド・イン・ジャパン、日本で作ったものを輸入しているわけですが、反対の棚を見てみるとほとんどが品切れになっています。
ほかにも文房具など品切れとなった商品が目立ちます。
さらに…
ロフト商業管理上海
辰己博彦副社長

こちら桜の商品ということで、本来であれば夏の商材を中心に構築するがロックダウンでそのままの状態になっている。
ロックダウン中に日本からの輸入が止まっていた影響が続いています。
売り場が回復するには今月いっぱいはかかりそうだといいます。
ロフト商業管理上海
辰己博彦副社長

今週から来週にかけて本格的に商品が入ってくる予定になっている。
6月中旬から下旬辺りにきっちりした売り場構築ができる。
一方、中国からの輸出はどうなっているのか。
こちらは上海市内にある寝具を主に扱う会社「上海明彤大国際貿易」です。
年商およそ10億円で日本や欧米、韓国に向けて輸出をしていますが…
上海明彤大国際貿易
閆巍社長

ロックダウン中の出荷は15%減った。
影響が大きいのは出荷納期。平均15日程度遅れた。
ロックダウン中、港を変更するなどして影響を最小限に抑えることができたものの秋冬向けの受注シーズンを迎えたいま新たな問題に悩まされているといいます。
上海明彤大国際貿易
閆巍社長

これは今年の現時点までの当社の受注状況。
今一番厳しいのは欧米部門。欧米は現時点までで4分の1しかない。
とりわけ欧米からの今月の受注はまだゼロです。
中国政府がゼロコロナ政策を継続する方針を示しているため、新たなロックダウンを警戒し、リスク回避のために中国離れが進んでいるというのです。
上海明彤大国際貿易
閆巍社長

できるだけリスクを減らすため発注は中国から東南アジアへ流れていった。
ゼロコロナ政策を継続するなら経済が取り返しのつかない状況になりうる。