会員が使いたい時に自由に車を使用できる、いわゆるカーシェアリングの登録者数の推移です。
この10年で10倍と急速に成長していることが分かります。
個人同士が車を貸し借りする個人間カーシェアと呼ばれるサービスが注目を集めるなどその裾野は広がっています。
一方で市場の拡大とともに新たな犯罪も生まれています。
今回WBSでは個人間カーシェアに潜む落とし穴を取材しました。
株式会社NTTドコモ
[blogcard url="https://carshare.dmkt-sp.jp/portal/"]
大阪府に住む20代男性の田中さん。
マジか、マジかと思った。
700万円くらい。ローンだけが残る
NTTドコモが提供しているカーシェアサービス「dカーシェア」を利用。今年700万円で購入した新車「BMW Z4」を自分が使わない日に貸し出すこと臨時収入を得ています。
dカーシェアは免許証の写真を撮ってドコモ側に送り、個人情報を登録すると誰でもスマホのアプリからレンタカーやカーシェアを利用することができるサービスです。
今年7月、40代の男から田中さんの車を借りたいと連絡がありました。男と待ち合わせ、免許証で本人確認をした上で愛車を貸し出しました。
しかし…
「明日の18時以降なら、見舞いに来てくれた弟が代理で返却できる。」という連絡を最後に連絡が取れなくなりました。
慌ててドコモに連絡をしました。
しかし、
「トラブルは当事者同士で解決してください」とまず言われた。
もう頼りにならないと思った。
仕方なく警察に被害届を出した田中さんでしたが、事態は今月に入り急転。
濱田明宜容疑者が別の詐欺事件で逮捕されたのです。
きっかけは中古車販売店からの通報でした。
店にやってきた濱田容疑者の様子を不審に思ったからです。
現金が欲しいからすぐにこの車を売りたい。
店員が濱田容疑者が出した免許証に爪を立てたところ、文字が簡単に剥がれ落ちたといいます。
濱田容疑者は田中さんとは別の人からも車を騙し取っていて、この店に持ち込んで売ろうとしていたのです。
実は濱田容疑者が田中さんに提示したのも偽造の免許証でした。
顔写真は本物ですが名前が濱田ではなく石飛になっています。
田中さんの車も別の中古車販売店に販売されていましたが、事件が発覚したこともあり手元に戻ってきました。
免許証が偽物にすり替えられていても僕らオーナーは見抜けない。
厳密な審査があるとHPに記載しているので、それを信じて貸し出している。
前提条件としてそこが担保されていない。オーナーは「どうするべきなの」と思う。
この問題について社長に聞くと…
NTTドコモの吉沢和弘社長、
実際にカーシェアで借りに来たときに免許証の照合作業ができていなかった。
それ(本人確認)をできるようにした。
事件後ドコモでは顔写真の登録を義務化し、免許証に加えて保険証などの提出を求めることで本人確認の仕組みを強化しました。
ただ盗難被害の補償については検討中としています。
株式会社ディー・エヌ・エー
[blogcard url="https://anyca.net/"]
一方、補償についての対応を進める会社も。
個人間のカーシェア最大手「Anyca(エニカ)」を運営するDeNAです。
エニカは信頼性を高めるため本人確認にAI(人工知能)を導入。登録された情報の不正検知に活用しています。
さらに万一、不正が起きた場合に利用者への補償やトラブル対応を充実させるためSOMPOホールディングスと合弁会社を設立しました。
エニカ事業責任者の馬場光さん、
しっかりした補償制度やトラブルを予防する仕組みを作っていくことが大事。