地域の奮闘する企業を取り上げる「輝く!ニッポンのキラ星」。
今回は福岡県うきは市からです。
顧客のニーズを細かくすくい上げニッチな農林業向け機械で成長する企業を取材しました。

株式会社筑水キャニコム
[blogcard url="http://www.canycom.jp/"]
福岡県にある果樹園「右田果樹園」。名産の柿が育てられています。

その果樹園を軽快に動く車のような機械が…

「この機械は?」
右田果樹園の右田英嗣さん。
四輪駆動の草刈り機まさお。

草刈りの重労働が乗ることですごく作業が助かる。

人が乗って草を刈ることで1,000平方メートルの草を刈るのに従来の刈払い機が半日かかるところをわずか15分で刈り取ることができました。

畑は傾斜や下り坂のフラットじゃない道。四駆の力強さで快適に作業ができる。

二輪では難しい坂道や悪路でもスムーズに草を刈ることができます。
有名人になぞらえた「草刈り機 Hey MASAO」というユニークな四輪駆動草刈り機。

ものづくり日本大賞にも選ばれ年間3,000台以上を売り上げています。

福岡県南東部のうきは市。

農業と林業の盛んな地として知られています。

この地に草刈機を製造する企業「筑水キャニコム」が。

1948年に創業した筑水キャニコム、従業員278人、売上高は64億円に上ります。


草刈り機などの農業機械や林業で使う運搬車などを製造。

世界51ヵ国と取引を行い、増収増益が続いています。

筑水キャニコムの包行良光社長。
ピンクレディ ヒラリー。

女性にも使ってもらいたいということでピンクレディシリーズを作っている。

今までにないゆっくりとしたスピードで進める、女性でも扱いやすいよう作られた運搬車です。

ヒラリーというのはひらりと作業できるようにとネーミング。

ヒラリー・クリントンも少し被せている。

筑水キャニコムの特徴がキャッチーなネーミング。

命名は親である包行均会長が名付け、社長がそれ以外のほぼすべてを管理しています。


ネーミングは義理と人情。

大企業じゃないのでネーミングで引きつけないといけない。

わかりやすく笑ってもらえる遊び心。

デザインとネーミングを押さえればブランド力が向上する。

顧客を思いやる義理人情の精神で商品開発を進め、日刊工業新聞社「読者が選ぶネーミング大賞」を15年連続で受賞。ネーミングへのクレームはこれまでないといいます。


さらに新製品開発の肝となるのが…

いろいろな人のリクエストを歌に乗せて変えるのが演歌。

我々はお客様のボヤキをモノづくりとして具現化する。

社名の由来は「CAN CARRY ANY COMMUNICATION」。

コミュニケーションを大事にし、続けているのが顧客へのボヤキ集めです。

直接訪問し、ボヤキや困り事を聞き取り調査。そこから細かいニーズをすくい取り、商品を開発してきました。

近くのおばあちゃんが一回も旅行に行ったことがないとボヤいた。

朝から夜まで運搬用の牛馬と生活しないといけない。

「山から木材を運搬する機械が欲しい」と。

昭和の中頃まで林業では馬による木材運搬がほとんどでした。

機械化が進まぬ中、1978年に開発した林内作業車「やまびこ」は小型で機能性も高く、作業時間も大きく短縮されると話題になりました。


横積み式の木材運搬車としてトップシェアを誇っています。

こうしたボヤキをもとにして商品を開発。

大手メーカーが出さないニッチな商品で成長してきました。

そして新たに開発を進めているのがこちら。

筑水キャニコムの先端技術開発室、酒井志有斗室長。
ラジコンで草を刈れるようにした機械。

遠くから操作できるので作業者が安全で楽に作業できる。

人が乗らずに遠隔操縦できるように草刈り機の実証実験を進めています。
GPSで苗木の位置がわかるようになると作業がやりやすいよね。

事前にわかるのが一番いいですね。

実験や現場のボヤキを生かすことで200種類以上の製品開発につながっています。

100ヵ国取引を目指してモノづくりをしていく。

うきは市で世界と戦える企業を作っていきたい。
