ロボットのような見た目が特長のキヤノンの小型カメラ。スポーツ用品のミズノと自動車メーカーのマツダが共同開発をしたシューズ。

実はこの2つ、共通点があるということです。それがどちらも一般の人から資金を集めるクラウドファンディングを活用して商品の開発をしているという点です。
しかし、そこには資金調達だけではない別の狙いがありました。

キヤノン株式会社
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キヤノンが11月9日に開いた新しいカメラの発表会。

キヤノンマーケティングジャパンのコンスーマ新規ビジネス企画部、林田恒太さん。
自分で人の顔を見つけてシャッターを切る自動撮影カメラ。

今月末に発売する自動撮影カメラ「キヤノン PowerShot PICK」。

キヤノンがこれまで培った画像認識の技術を生かしたソフトが内蔵されていて、周りにいる人の顔を自動で認識し、適切な画角で撮影してくれます。

スマホに入れた専用アプリと連携し特定の人を登録することでその人を優先的に撮影。

机などに置くだけで自動で撮ってくれるため家族全員が写った自然な表情の写真が撮影できます。
お祝いやパーティーのシーンはそれに集中したい。

そのシーンに没頭するなかで自然な表情が撮れる。

2年前に番組で取材したときにはまだ開発途中の段階だったこちらの商品。

今回の一般販売の前に利用したのが…
キヤノンマーケティングジャパンのコンスーマ事業戦略本部、横山武尚本部長。
正式発表する前にマクアケのサイトに出品した。

クラウドファンディングサイト「マクアケ」の応援購入という仕組みです。

お客様の反応を探るため数量限定で販売したところ、およそ4,000人が購入し完売しました。
応援購入サイト(マクアケ)で評判が芳しくなかったり、たくさんの共感を得られないのであれば一般発売の計画が変わっていた可能性がある。

マクアケを新商品の開発に生かす動きは広がっています。
こちらはマツダの研究開発の拠点。そこで話し合われていたのは…

ミズノのワークビジネス事業部、香山信哉次長。
シューズの評価。ドライビングシューズという新しいものをスポーツ以外の部分の新しいチャレンジ・事業として推進している。

今回、ミズノとマツダが共同開発したのが運転しやすい機能を備えたドライビングシューズ。今年7月にマクアケで販売しました。

両社の技術を持ち寄って開発したこの靴、実際に履いて運転してみると…
増田洋一記者。
この靴はかかとが丸くなっているのでアクセルとブレーキの踏み変えがスムーズに踏み変えられる。長い時間運転しても疲れづらいかもしれません。

ほかにもミズノの運動用シューズに使われている靴底の技術やマツダの運転姿勢の研究などで得た知見を持ち寄り開発しました。
しかし、価格はおよそ4万円。そのニーズはあるのか?

市場が少し分かりづらい。

応援購入(クラウドファンディング)を利用してニーズの調査も含めてやった。

市場調査も兼ね7月にマクアケで数量限定発売したところ、1,100足がわずか2日で完売しました。

この結果を受け、ミズノはドライビングシューズの開発の継続と事業化する方向で進めています。

仕事で運転する人や一般に運転する人、たくさん運転する人がいる。

新しい市場として非常に需要があることが分かったので、そういった市場に向けて新しいチャレンジをミズノとしてはしていきたい。

こうした新商品の開発でマクアケの仕組みを利用する企業は増えていて、去年までの4年間ではおよそ110件でしたが、この1年は90件を超えています。

これまでテストマーケティングとして利用していた展示会や見本市が新型コロナで開催できなくなったこともありマクアケを利用する企業が増えているのです。
マクアケの専門性執行役員、北原成憲さん。
12月以降も続々と新商品の発表を控えている。

テストマーケティングや新商品のマーケティングに活用できるという訴求も強めているので、きちんとここをマッチングできれば大きくイノベーション支援の力になれると思う。
