日本の自動車メーカーにとって戦略の変更を迫られかねない決定が出ました。アメリカのカリフォルニア州は2035年までに、ガソリン車のほか、ハイブリッド車の新車販売を禁止する規制案を決定しました。カリフォルニア州は環境規制をリードしてきた過去があり、アメリカにおける自動車販売の大きな転換点となりそうです。
アメリカ カルフォルニア州の規制案!ガソリン・HV 新車販売禁止
25日、カリフォルニア州で一つの規制案が決定しました。新車の販売規制についてです。
カリフォルニア州知事

私たちは世界で初めてガソリン車の新車販売を禁止する。
自動車メーカー自身も受け入れている。フォード、GMだけでなくトヨタもだ。
その規制案とはガソリン車やハイブリッド車の新車販売を2035年までに禁止するもの。販売できるのは温室効果ガスを排出しない電気自動車や燃料電池車のほか、一部のプラグインハイブリッド車です。
電気自動車はテスラが圧倒的に強く、日本の自動車メーカーの存在感は薄い領域です。
環境にやさしい車としてハリウッドスターが愛用したトヨタのプリウス。アカデミー賞の授賞式ではジョージ・クルーニーさんが乗って登場しました。このプリウスもハイブリッド車は販売できなくなります。
今回の決定について日本の自動車メーカーは…
ホンダ

2年前から方向性は分かっていたので、そう驚きはないがカーボンニュートラルの実現に向けて重要なマイルストーンと捉えている。
HV規制 波及の可能性も!日本企業への影響は?
環境意識の高いカリフォルニア州。国内で初めて排気ガスの規制を導入するなど歴史的にアメリカの環境規制をリードしてきました。
新車の販売台数に占める電気自動車の割合も9.5%とアメリカ全体に比べて3倍以上です。
専門家はこうしたカリフォルニア州の決定が今後、アメリカの他の州にも波及していく可能性を指摘します。
ナカニシ自動車産業リサーチ
中西孝樹氏

米国の環境規制の重要なリーダーシップを握っているのはカルフォルニア州。
オレゴン州、ニューヨーク州、メーン州、ワシントンD.C.など12の州は基本的にカリフォルニア州で決まった規制を同様に適用することが認められている。
加速するEV化の流れ、日本の自動車メーカー各社は対応に迫られています。
トヨタは2030年までに電気自動車向けに4兆円を投資する計画を公表。
ホンダも世界で販売する新車を2040年までに全て電気自動車と燃料電池車にする方針を掲げています。
ナカニシ自動車産業リサーチ
中西孝樹氏

競争力でみれば将来、大変厳しい状況に置かれる可能性を秘めている。
新しく変わっていく規制の中で電気自動車や温室効果ガスを排出しないゼロエミッション車にも競争力を発揮していけるかが論点。