ビジネス関連 ワールドビジネスサテライト

[WBS]今そこにある盛り土問題!全国総点検の現場では…[株式会社キャドセンター]

ワールドビジネスサテライト(WBS)

今年7月、静岡県熱海市で起きた土石流災害をきっかけに危険性が浮き彫りになったのが盛り土です。

実は全国各地に存在しています。

国土交通省は各自治体に調査を指示しましたが、取材を進めるよ課題が浮かび上がってきました。

キーワードは盛り土の見える化です。

株式会社キャドセンター

[blogcard url="https://www.cadcenter.co.jp/index.html"]

7月3日、熱海市で26人の命を奪った土石流による災害。

あれから100日、現場近くの小学校で家族や友人を失った人たちが追悼式に参加しました。

妻を亡くした72歳男性。

どうしてこんなことになったのか、そういう気持ちは多々あった。

もう2度と全国でこういう事が起きなければいい。

ここが土石流の起点となった場所です。

小田原市の不動産管理会社などが不適切な盛り土を繰り返したことが原因と見られています。

これについて熱海市は先週、盛り土問題の調査結果を公表しました。

熱海市の齊藤栄市長。

今回の災害は人災としての側面も否定できない。

われわれの対応に問題がなかったか真摯に向き合わなければなけない。

この会見で熱海市は盛り土の危険性を把握しながら業者への措置命令を見送っていたことを明らかにしたのです。

根深く、そしてなかなか見えない盛り土の問題。国交省は全国で総点検を行うよう指示しています。

盛り土の点検とは一体どんなのものなのか、取材に向かいました。

長野県軽井沢の別荘地。山間部に住宅が並びます。

ここに点検を始めていた県の職員の姿が。

水が気になりますね。

見つけたのは草の下から湧き出る水。

処理を考えないとまずいかもしれない。

軽井沢町では宅地を建てる際、山の傾斜地を平たくするため土を盛ります。

こうした盛り土の上に住宅が建っているのです。

近くに住む女性は…

地主が何十年も前からどこかで出た残土、山の土を積んでいた。

にわかに積んだ土地ではないので、そういう意味では安心。

点検する盛り土は国交省が過去と最新のち系図を比べ、高さ5m以上の変動があるかなどを基準に抽出しました。

しかし、ここで一つ課題が…

長野県 佐久建設事務所の中島英樹整備課長。

盛っている感じではない気がする。前の地形の図面がない。

今回、軽井沢町は11ヵ所を点検します。

実は頼りにしていたのは国交省から提供された平面地図のみ。盛り土の特定が難航していたのです。

軽井沢町の地域整備課、小林久史係長。

年代とすれば古い時代なので盛ったのか正直分からない。

「一目見ただけであまり見えない?」

正直そうですね。

盛り土の特定が難しい、国交省はこの問題を把握しているのでしょうか。

「この地図だけだと盛り土が分からない?」

国交省 都市局 都市政策課の内山裕哉課長補佐。

地形に関しては写真を分析することで盛り土の在りかを発見できる。

それだけだとどういうリスクがあるのか見えてこない。

国交省も課題は認識。

56の自治体から集めた3Dの地図データを公開し、盛り土兆際に生かしたい考えです。

今まで使われてこなかった地理空間情報、地図データを防災などの領域で生かそうというプロジェクト。

国交省の地図データを活用するのがキャドセンター。

3D地図による災害情報の見えるかを進めています。

盛り土についても見える化できるよう施策を重ねていました。

キャドセンターの鈴木俊郎社長。

国交省が出している盛り土のマップを3D地図に対応させた。

こちらは先程の軽井沢町の3D地図。盛り土の情報を重ねるとご覧の通り。

盛り土の箇所が分かります。

どこに盛り土があり、その建物や道路などに範囲が及ぶのか一目瞭然です。

どこに盛り土があるのか、すぐに分かるようになる。

見えないものを見える化する。

どのくらいで崩れる可能性がある盛り土が残っているか把握につながる。

次の災害が起きる前に盛り土の見える化が急がれます。

-ビジネス関連, ワールドビジネスサテライト
-,