地域で奮闘する企業を取り上げる「輝く!ニッポンのキラ星」。
今回、注目した東京・青梅市の企業は生産拠点を海外に移す企業が増える中で国内生産にこだわり50年以上黒字を続けています。
その秘訣は何なのでしょうか。
武州工業株式会社
[blogcard url="https://www.busyu.co.jp/"]
東京都心から40キロ離れた青梅市。製造業の集積地としても知られています。
ここに国内生産にこだわる企業が…
1951年に創業した自動車部品製造の武州工業。
従業員150人、売上高は16億円に上ります。
武州工業の林英夫会長、
自動車向けの熱交換器のパイプ部品。
エンジンと熱交換器をつなぐ製品が主力。パイプを曲げる加工を得意とし、技術を生かして近年では内視鏡に使うパイプなど医療分野にも進出。
月に平均で900種類、90万本以上を生産しています。
製品に合わせ立体的な曲げも得意で、大きさを問わず自在に加工できる国内トップクラスの技術を持ち、コロナにも負けず実に55年連続で最終黒字を達成しています。
その秘訣は独自の生産方法にありました。
1人の作業者が最初の工程から完成までを1人でやる。
1個ずつ作る1個流し生産。
1987年から始まった1個流し生産。
通常のラインでの生産とは違い、機械は従業員を囲むようにコンパクトに配置されます。
次の工程への部品移動などの時間が省けるのが特徴で、ラインでの作業よりも3割以上効率化を図れるといいます。
また同時に品質検査も行えるのでそのコストも削減できます。
複雑な製品の場合は機会を増やして対応し、頻繁にレイアウトを変えるため、使いやすいよう工作機械自体も自社で製造しています。
設備の内製化をしている。工夫をしながらラインを作れるのが強み。
無駄な工程がないことが安く作れる秘訣。
製品に合わせラインを変えながら、1人で9種類もの製品を作っています。
これに対応する技能を身につけるため、工場敷地内に教育施設を設けて技術者を育てているのです。
ここまでするのは地域の雇用へのこだわりです。
青梅は工業系の会社もたくさんあったが海外移転を進めてしまった。
国内でのものづくり、海外に負けないコストを目指している。
国内生産でいかにコストを抑えるか、さらなる切り札となるのがこのスマホ。
生産性見え太君というアプリを開発した。
もともとスマホには万歩計などに使う動きを測るセンサーが内蔵されています。
そのセンサーを利用し、機械が動いた回数をアプリが測定。実際の稼働回数と目標回数の差がひと目で分かるようグラフで表示することで機械の不調など迅速な対応が可能に。
生産性が従来よりも20%上昇したといいます。
またスマホを既存の設備に取り付けるだけなので新たな専用装置を購入するのに比べ費用を10分の1に抑えられました。
さらに今年の3月から新たな工程を導入。
材料をセットするだけで効率よく製品ができあがるロボットによる全自動の1個流し生産です。
新事業に向けて人員を割くことが狙いです。
あらゆる無駄を削除していくことがこれからの製造業の生きる道。
AIを使った外観検査を取り入れ、さらに2~3割生産性を上げたい。