景気の本格回復となるのでしょうか。内閣府が8月15日に発表した今年4-6月期のGDP(国内総生産)は前の3ヶ月と比べて実質の伸び率が年率換算で2.2%のプラスとなりました。このプラスの成長は3四半期連続となります。外食、それから宿泊といった個人消費やデジタル関連などで企業の設備投資が活発だったことなどが伸びをけん引しました。ただ、足元では食料品やエネルギーなどの価格上昇が続いていて景気の先行きはも通せない状況です。
GDP コロナ前水準回復も…物価高で14年ぶり"抑制策"
新型コロナウイルスが流行する直前の水準まで戻った今年4-6月期のGDP速報値。結果について政府は・・・
山際経済再生担当大臣
景気が緩やかに持ち直していることが示された結果となった。
ただ、先行きについては厳しい見通しを示しました。
山際経済再生担当大臣
エネルギーや食料品の物価上昇や各国の金融引き締めによる世界経済の減速懸念、今後の感染症の動向など、わが国経済の回復を阻害しかねない不確実な要素に十分注意する必要がある。
厳しい見通しの理由の一つがGDPの半分以上を占める個人消費の動向です。今年に入り相次ぐ食料品の値上げ、背景にあるのは原材料価格の高騰に加え、記録的な円安の影響があります。
ハウス食品も8月15日から代表するバーモントカレーやフルーチェねどを値上げしました。
こうした値上げが続けば家計の支出が減り、消費全体が抑制される可能性があります。
そこで…
岸田総理
日常の生活に欠かせないパンや麺類などの製品価格の高騰は切実。
輸入小麦について10月以降も政府から国内製粉会社への売り渡し価格を据え置くよう指示する。
政府による小麦価格の抑制策は14年ぶり。さらにガソリンなどの燃料価格の抑制策と合わせて9月上旬までに追加の物価対策として取りまとめることにしています。
小麦価格据え置きでも…コスト上昇で厳しい経営
そうした中、都内のベーカリー「ブーランジュリー道」を訪ねると…
ブーランジュリー道
冨永佳道代表
このままどんどん小麦の取引価格が上がっていくわけではないという安心感はある。
政府が輸入小麦の価格を据え置く対応を評価。ただこの店で使う小麦の価格はこの2年で1袋800円程度値上がりしました。
そのため去年12月には一部の商品を最大20円値上げ。
しかし、小麦以外に卵や砂糖などあらゆる原材料の価格が上がっているため小麦の価格が据え置きとなってもコストの上昇を吸収できないとしています。
ブーランジュリー道
冨永佳道代表
相当厳しい。
再度値上げはせざるを得ないレベルにはきている。
食品全体の値上がりが相次いでいる先月以降、この店では来店客数、売り上げともに1割程度減少。こうした状況の中、さらなる値上げは簡単ではなく、厳しい経営が続くといいます。
ブーランジュリー道
冨永佳道代表
これ以上の値上げになると生活の中に溶け込んでいくことが難しくなる。