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[WBS] 麻生財務大臣も注目!イタリア老舗帽子、復活なるか?

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イタリアの老舗ブランドの復活に向けた取り組みについてです。

サッカーの三浦知良選手や麻生財務大臣が愛用しているイタリアの高級ブランド「ボルサリーノ」の帽子です。

このボルサリーノは2017年に経営破綻し、現在は投資会社の下で再生への道を模索しています。

イタリア老舗ブランドの復活にかける戦略を取材しました。

ボルサリーノ・ジャパン株式会社

[blogcard url="http://www.borsalino.com/jp"]

イタリア北部の街「アレッサンドリア」。

この街でボルサリーノは生まれました。

街の中心から車で10分ほど…

これがボルサリーノの本社工場です。

中に入ってみると何やら古めかしいレトロな雰囲気。

豊島晋作記者、

こちらの機械は帽子の原料になるウサギの毛を混ぜ合わせる機械ということですが、日本でいう江戸時代、1857年の創業の時から使われているとのことです。

中に入っていたウサギの毛はこちら。

かなり軽いです。フワフワして重さを感じない感触です。

円錐形の金型にこのウサギの毛を吹き付けます。

これが帽子の生地となります。

この生地を接着剤などは使わず人の手や機械で押し固めていきます。

そして生地を機械に入れて取り出すと見慣れた帽子の形になりました。

さらに、

こちらの方は帽子を火で炙っていますね。何をしているんでしょう?

無駄な毛を焼いて取り除いている

そうしないと適切な品質にならない。

トレードマークのこの形はこちらの型で付けていきます。

出来上がった帽子はこの通り。

こうした昔ながらの手作りにこだわった製法を今も続けるボルサリーノ。

ひとつの帽子が出来上がるのに7週間かかります。

経営破綻

1857年創業のボルサリーノ。

最盛期の1910年台にはおよそ2,500人を雇用。

年間200万個以上の帽子を生産していました。

しかし帽子を被る人が減り、業績が悪化。

2017年に経営破綻しました。

アレッサンドリアの住民にとっては衝撃だった。歴史ある帽子の会社だったから。

とても悲しかった。街が死んでいくようで、このまでは何もない街になる。

一方で経営再建に期待する声も。

復活に期待する。かつてのような姿に戻ってほしい。

ボルサリーノはどのように復活しようとしているのか?

ターゲット

ファッションの中心地、ミラノの繁華街にあるボルサリーノの路面店。

売られていたのはカラフルな帽子。

なんとすべて女性向けの商品です。

店内、およそ15種類の帽子が置いてあるということですが、先程からお客様の入りが絶えません。

実は今、以前は2割ほどだった女性用の商品の売上を5割にまで広げることを目指し復活を狙っています。

そのため女性にとっての使いやすさを意識したデザインでアピール。

畳んでバッグにしまうこともできる。

とてもエレガントだがいろいろな場面で使える。

ビーチでも似合うし、街でもかぶれる。

伝統にとらわれないデザインはお客様に好評です。

2万円の帽子を購入した女性は、

実はこのブランドは知らなかった。

ショーウインドウを見て素敵な帽子だと思った。

一方、男性用の店舗は道の奥にあります。

並んでいたのはボルサリーノの定番商品です。

2019年春夏コレクション

そして7月18日、経営破綻後、初めて日本で開かれたボルサリーノの新商品発表会。

ここでも目を引いたのは若い女性を意識したカラフルで斬新なデザインの帽子です。

来日したフィリップ・カンペリオCEOは、

今後5年間の安定的な成長のためには女性と若者市場の開拓が必要。

男性用の市場は開拓できている。

そのため色やデザインにエッジのきいた流行に敏感な商品がカギとなります。

長年、ボルサリーノを見てきた人たちからも…

女性ファッション誌「マリ・クレール」編集部編集長は、

とても面白いと思います。カラフルなものや形を変えたりしてトレンドをものすごく意識している。

ターゲットを広げる戦略はほかにも。

現在、全体の半分を占める海外での売上の強化です。

特に注力するのがアジア市場。

日本の消費者はファッションの感度が高く、日本はアジア全体に影響を持つ重要な国。

日本を足掛かりに中国や韓国、アジア全体に市場を広げたい。

麻生太郎財務大臣

老舗帽子メーカーの復活にはこの人も期待を寄せます。

手の込んだ職人芸による帽子。それが経営再建されたあと、あの作り方で維持してくれることを期待する。

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