7月21日にECB(ヨーロッパ中央銀行)が政策金利を0.5%引き上げると発表しました。利上げは11年ぶりです。この政策金利をめぐっては世界各地で利上げが進んでいますが日本はゼロとなっていてその差が際立っています。
この状況が1ドル140円近くまで進んだ円安の一因との指摘もありますが、日銀は7月21日に大規模な金融緩和を維持する方針を示しました。
黒田総裁は会見で「利上げは全くない」と改めて強調しました。
日銀 大規模緩和を維持!「金利引き上げ全くない」
午後3時半から始まった黒田総裁の会見。
日銀
黒田総裁
現状維持とすることを賛成多数で決定しました。
大規模な金融緩和策の維持を決めた日銀。また2022年度の消費者物価上昇率の見通しを4月の1.9%から2.3%に情報修正しました。2%の物価目標を上回ったかたちですが、これについて黒田総裁は…
日銀
黒田総裁
物価については輸入物価の上昇やその価格転嫁の影響から足元を中心に上振れています。
足もtの物価上昇は資源高の影響を受けた一時的なものとし、賃金上昇と2%の物価目標の安定実現を目指すと改めて主張しました。
大江麻理子キャスター
賃上げの現状についてはどういう認識か?
これから先、もう一段の賃上げを促すため日銀の金融緩和を続ける必要があるか?
日銀
黒田総裁
企業収益が伸び、賃金が上昇する中で物価も上昇していくという好循環に今なっているかというとまだなっていない。
日本銀行としてしっかりと経済を支えるため金融緩和も続けていく必要がある。
さらに追加緩和についても「必要あれば躊躇なく講じる」とした黒田総裁。その一方で急速な円安は日銀の緩和策が一因だとして円安が収益を圧迫している一部の企業からは緩和策の修正を指摘する意見も上がっています。
日銀
黒田総裁
金利を引き上げるつもりは全くありません。
金利をちょこっと上げたらそれだけで円安が止まるとかそういったものは到底考えられない。
夏休み&ビジネスに円安影響!黒田総裁「ドルの独歩高」
加速する円安。夏休みシーズンに入り、海外渡航する人たちからは不満の声が…
ハワイへの旅行客
あまりにもドル円が上がったから飛行機を格安航空券に変えて、ホテルもコンドミニアムにして自炊できるとこにランクを下げた。
向こう(海外)は金利を上げているのに日本は全く上げていないから。
さらにビジネスにも影響が…
米・ワシントンに出張
畜産の飼料の輸入をしている。
牧草の現地価格が高騰しているのに加えて円安で状況はますます悪化している。
金融感をしているのは日本だけで何も施策を打っていないとしか思えない。
旅行先としても人気が高いアメリカ・ロサンゼルスを7月19日から訪れている佐々木みかこさんは…
ロサンゼルスに出張中の
佐々木みかこさん
このハンバーガーは7.69ドルで日本円に換算すると約1,100円。
コロナ前の2018年に訪れた時にはおよそ6ドルだったハンバーガーが今はおよそ8ドル。さらにスーパーでも…
ロサンゼルスに出張中の
佐々木みかこさん
熟れたバナナが65セント。1本、日本円で100円くらい。高い。
リンゴは1つ3ドル。日本円でおよそ420円です。軒並み高騰していました。
ロサンゼルスに出張中の
佐々木みかこさん
アンダーウエア専門店のヴィクトリアズ・シークレットも前と比べてちょっと高くなって、実際に海外で見て買いたいと思ってたが買っていない。
食料品以外は買い控えているといいます。
輸出を後押ししていることなどから円安は日本経済にプラスに作用しているとしてきた黒田総裁。7月21日の会見では現状では円安というよりもドル高だと主張しました。
日銀
黒田総裁
今の円安は実はドルの独歩高。ユーロやポンドも大きくドルに対して下落。英国は5回金利を既に上げている。
金利格差が拡大していない英国や韓国ですら大きく下落していて金融引き締めの政策が合理的にあり得るとは考えておりません。