政府は8月24日、関係閣僚の協議を開き、北海道や愛知県など8つの道と県を緊急事態宣言の対象に追加し、27日にも発令する方針を決めました。

アメリカでは3回目のワクチン接種が間もなく始まるなど、ワクチンで新型コロナを封じ込めようという戦いが長期化する中、世界中で次世代のワクチンの開発が始まっています。

バイオコモ株式会社
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各地域における緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の扱いについて、あす専門家の分科会にかけることにした。

こう述べた菅総理。
なんらかの措置を取る自治体は33都道府県まで増えます。

しかし、都道府県ごとの追加は効果に限界があるとして知事からはこんな発言も…
広島県の湯崎英彦知事。
県外への移動の強い抑制に向け全国一斉の緊急事態宣言の適用をお願いしている。

8月24日も愛知や滋賀をはじめ、新たに宣言の対象となる県などで過去最多の感染者の確認が相次ぎました。

そして収束のカギを握るワクチンでも大きな動きが…

バイデン大統領。
ファイザーのワクチンは安全で有効だとFDAは確認し正式に承認した。

ワクチンをきょうにでも受けてほしい。無駄にできる時間はない。

デルタ株は危険で広がり続けている。

これまで緊急の形で使用を認めてきたファイザー製ワクチンの正式承認。

これを受け、学校の教職員に対しニューヨーク市が9月下旬までに1回は接種するよう求めるなど義務化の動きが広がっています。

アメリカでは免疫が落ちてきた人のための3回目の接種も9月に始めるとしているほか、生後6ヵ月からの接種に向け治験もすでに始まっています。


ワクチンでコロナを封じ込めようとする戦いは長期化の様相を呈しています。
そうした先を見据えて日本でも次世代ワクチンの開発が行われています。

三重大学がバイオベンチャーと共同で開発を進めているのがこちら。
ワクチン開発を手掛けるバイオコモの福村正之社長。
これは変異株に対するわれわれが作っているワクチン。

三重大学の野阪哲哉教授。
注射するのではなく、鼻からスプレーで投与するワクチン。

デルタ株やラムダ株などに対応するワクチンの開発を進めています。

しかし、鼻から投与とはどういうことなのでしょうか。
実はインフルエンザ向けワクチンではすでに日本でも使われています。

ゆりあファミリークリニックの徳原智庸医師。
インフルエンザのワクチンで「フルミスト」というもの。

形は注射器のようですが先端に針がありません。
針がないので全然痛みがない。

ワクチンを鼻の中で噴射し。鼻の粘膜に吹き付けるのです。
ワクチンの代わりに生理食塩水を入れ、宇井五郎記者が試してみると…

少し違和感はありますが、プールで泳いでいる時に少し水が入った、その程度の違和感です。

子どもは「これでおしまい?」と喜ぶ。画期的なワクチンだと思う。

また医師は新型コロナでも鼻から投与する経鼻ワクチンが開発されれば接種の拡大につながると期待します。
新型コロナワクチンは肩の痛みの副反応が「怖い」という人もいる。

接種拡大の一つのハードルになっている。

経鼻ワクチンのメリットは痛みがないだけではありません。
鼻の粘膜に霧のように吹き付けることで鼻の粘膜で特殊な免疫を誘導。

感染そのものを阻害することができる。

注射による接種では直接体に入ったワクチンに反応して抗体が大量に作られます。

ところが鼻から投与する経鼻ワクチンの場合、まず感染しやすい鼻や喉で抗体が作られ、ウイルスの侵入を防ぐほか、増殖も抑えるため他の人へ感染させることも防ぎます。


東京大学との共同研究でどれだけ感染をブロックするか実験した。

びっくりするくらい効いていた。

ハムスターにワクチンを投与すると人と同じように鼻の中で増殖するウイルスを抑制する効果も確認できました。

メリットの多い経鼻ワクチン。世界でも開発競争が激しくなっています。
イギリスのオックスフォード大学は今年3月、人間に投与する1回目の治験を開始。

新型コロナワクチン「コバクシン」を開発したインドのバーラト・バイオテックも治験を始めています。

三重大学などでも今後1年以内に治験に入り、2年以内の実用化を目指しています。
実用化できれば医療従事者の負担を減らす可能性も広がるといいます。
噴霧することは医療行為として個人でやることは認められている。

将来的には各自がワクチンを吹き付けて抗体を作らせるようにできれば非常に理想的。
