美瑛選果
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北海道・新千歳空港。
土産物を物色する人たちで賑わう中、ある一角にひときわ長い行列を作る店がありました。
アツアツでとろけるような感じ。
美瑛のコーンパン。嫁さんからお土産で買ってきてくれと。
もっちりとした生地の中にぎっしりつまったコーン。行列が絶えない、その美味しさの秘密とは?
株式会社美瑛選果
美瑛選果は本店が北海道・美瑛町にある農協の子会社。
町でできた野菜などを販売しています。
1番人気は空港限定の「びえいのコーンぱん(5個入り1,080円)」。
焼き上がり時には約40人が行列を作ります。時にはパイロットやキャビンアテンダントまでもが並びます。
コーンパン
コーンパンは全て空港の店舗で製造しています。
使われているコーンは全て美瑛産です。
トレイいっぱいのコーンを生地に投入。さらにもう一枚。
これでもか、という量のコーンが生地に練り込まれていきます。
できた生地はどこを見てもコーンです。
そんなコーンだらけの生地に入れるのはやはりコーン。破れないギリギリまでコーンを詰めます。
水と砂糖は一切使用せず、コーンの水分と甘さだけで焼き上げたパンは濃厚ながら優しい甘さが特徴。
詰めすぎていて、食べる時にはコーンがポロポロ…
こんなにコーンがぎっしりで甘いとは思わなかった。感激しています。
販売方法
売り方にも戦略があります。
焼き立てでふたが開いているので、約30分後に閉めてください。
焼き立てをすぐに詰めるためふたを閉めるとパンが湯気を吸ってしまいます。そのため冷めるまで約30分はふたを開けたままにしてもらいます。
こうすることでコーンのほのかな甘い香りが広がり、食欲をくすぐります。
その誘惑にお土産のはずが
すごくいいにおいで、食べずに我慢できるかなと。
しかし、なぜコーンだったのか?
コーンの理由
理由を調べに美瑛町に向かいました。
丘の町として知られる美瑛町は寒暖の差が大きくトウモロコシが甘く育ちやすい土地柄です。
理由は他にもあります。
JAびえい営農部、山田直樹部長は
後継者不足、機械の収穫に頼ってしまう。そうした作物を増やさなければならない。
トウモロコシは機械での収穫が可能なため、少ない人手で広い農地を活かせます。
しかしトウモロコシ畑を拡大するには、その需要も拡大しなければなりません。
そんな中、広告塔として生まれたのが空港限定の「コーンぱん」でした。
「コーンぱん」で美瑛のトウモロコシが知られたことでネット販売でトウモロコシ自体が売れるようになりました。
売り上げは「コーンぱん」が始まった5年前から毎年20%ずつ伸びているといいます。
農家の藤原豪さんは、こうした需要の増加を受け、実際にトウモロコシ畑を増やしました。
人気は出ていると思う。いまや美瑛選果は美瑛のシンボル。
後継者不足から生まれた「コーンぱん」。
コーンと共に地元農家の期待もびっしり詰まっています。